ゴールドマン・サックス、ブラックロックとグレイスケールのビットコインETFに参加する可能性:情報筋

投資銀行大手のゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)が、世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)とグレイスケール(Grayscale)がアメリカで申請しているビットコインETF(上場投資信託)において重要な役割を果たす可能性がある。事情に詳しい2人の関係者が匿名を条件に明らかにした。

ETFの指定参加者となる交渉中

2人の関係者によると、ゴールドマン・サックスはETFの指定参加者(AP)となる交渉を行っている。APは数兆ドル規模のETF業界で最も重要な仕事の1つであり、商品が原資産価格と連動して取引されることを保証するためにETFの発行と償還を行うものだ。

ゴールドマン・サックスは他の金融大手に続いてその役割を担うことになる。先週、米銀大手JPモルガン(JPMorgan)、暗号資産マーケットメーカーのジェーン・ストリート(Jane Street)、金融サービス会社キャンター・フィッツジェラルド(Cantor Fitzgerald)が、米証券取引委員会(SEC)にビットコインETFを申請している十数社のうちの何社かのAPを引き受けることが発表された。

これまでに名前が挙がった企業はアメリカの金融業界で最大手の企業だが、さらに多くの会社が参入する可能性がある。大手トレード会社の関係者は、最終的には各ビットコインETFで5~10社がAPになると予想していると述べた。

従来、暗号資産を直接扱うことを避けてきたアメリカの大手銀行は、ETFの裏付けとなるビットコインを取り扱うためのメカニズムとして現金ベースが採用されたおかげで、待望のビットコインETFの盛り上がりに参加できるようになった。現金ベースは、SECの承認を得る上で必要な要素とみなされている。

ブラックロック、グレイスケールと提携か

ゴールドマン・サックスが提携を求めている企業は主要プレイヤーだ。ブラックロックは世界最大の資産運用会社であり、グレイスケールは世界最大のビットコインファンドであるグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)を運営している。

SECとの法廷闘争に勝利してGBTCをETFに格上げする道を切り開いたグレイスケールは昨年、ETFに変換できるタイミングが来た際のAP候補としてマーケットメーカーのジェーン・ストリートとバーチュ・ファイナンシャル(Virtu Financial)を指名した。

ゴールドマン・サックスは本記事執筆時点までにコメントの要請に応じなかった。ブラックロックとグレイスケールはコメントを控えた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Goldman Sachs Eyeing Bitcoin ETF Role Via BlackRock and Grayscale: Sources