- ビットコインETFを申請している十数社のうち、手数料の水準を発表しているのは6社のみだ。
- すべてのファンドが同じ資産を保有するため、手数料は重要な役割を果たすだろう。
ビットコイン(BTC)のスポット型上場投資信託(ETF)を申請した13社のうち、運用手数料をいくらにするかを明言しているのは半数のみだ。しかし、早ければ来週にも承認が下りるとの予想もあり、投資家候補たちはこの数字に注目している。
ETFが市場に出回れば、そのETFがどれだけ人気があり、取引量が多いかはさまざまな要因で決まるが、今回の場合、すべてのETFが同じ資産であるビットコインを保有することになるため、運用コストのような細かな点が決定的な差別化要因になるだろう。
ブルームバーグ・インテリジェンスのETFアナリスト、ジェームス・セイファート(James Seyffart)氏は電子メールによるインタビューに答え、「手数料が重要になる」と述べた。「最低の手数料を提示する必要はないが、それでも競争力を維持したいのなら、あまりに高額な手数料を請求することはできない」。
経費率として知られる手数料は、カストディサービスやマーケティング、さらには人件費などのコストを賄うためのものだ。モーニングスターの調査によると、2022年のオープンエンド型投資信託と上場投資信託の平均手数料は0.37%で、0.91%だった20年前と比べるとかなり安くなっている。
インベスコ(Invesco)とギャラクシー(Galaxy)は、ETFアナリストのエリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏が「とんでもない」と表現したように、最初の6カ月間と最初の50億ドルの資産に対して手数料を完全に無料にするという。その後の手数料は0.59%になる。
フィデリティ(Fidelity)は手数料を0.39%と最も低く設定し、アーク(Ark)と21シェアーズ(21Shares)、ヴァルキリー(Valkyrie)は0.80%を予定している。
「純粋な競争力の観点から言えば、この特定のカテゴリーでは経費率は非常に重要だ」とネイト・ジェラチ(Nate Geraci)氏はXに書いている。ジェラチ氏は投資顧問会社The ETF Storeの社長で、2011年にETFに関するポッドキャストを始めた。
世界最大の資産運用会社であるブラックロック(BlackRock)は、いくら徴収するのかをまだ明言していない。その知名度、実績、そして何百もの成功したファンドを考えると、この巨大投資会社は人気に関してはトップランナーの1つになる可能性が高い。
セイファート氏は、ブラックロックの手数料はフィデリティの0.39%と同程度になるだろうと予想し、ジェラチ氏は0.40%から0.80%の間と見ている。
「フィデリティは、他のどこよりも垂直統合が進んでいるので若干の優位性を持っており、最低料金を提供できる可能性がある」とセイファート氏は述べた。 フィデリティは他の企業とは異なり、社内カストディアンを採用しており、そのプラットフォームを通じて投資家やアドバイザーに直接アクセスできるという点で有利な立場にあるという。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:SECのゲーリー・ゲンスラー委員長(Jesse Hamilton/CoinDesk)
|原文:Bitcoin ETF Fees Will Play Critical Role in the Race to Popularity