アメリカ証券取引委員会(SEC)によるビットコイン(BTC)のスポット上場投資信託(ETF)の承認期限(1月10日)が近づくにつれ、ビットコインオプションの価格推移はトレーダーの強気バイアスが縮小していることを示している。
アンバーデータ(Amberdata)が追跡しているオプションのスキューによると、1週間、1カ月、2カ月、3カ月で満期を迎えるコールは、プットに対して11月上旬の8%に比べて、現在は約2%のプレミアムで取引されている。この後退は、ビットコインに対するより慎重な強気心理を反映している。
コールは、買い手に原資産を後日所定の価格で購入する権利を与えるが、義務はない。コールの買い手は暗黙のうちに市場に強気であり、プットの買い手は弱気である。オプションのスキューは、コールとプットの相対的な需要を測定したものだ。
おそらくトレーダーは、予想されるETFの決定を前に様子見モードに入っているのだろう。一部のアナリストによると、暗号資産(仮想通貨)はETFへの期待を背景に3カ月間で61%急騰したが、期待度の高い提供が開始されれば下落する可能性が高いという。
長期のコール・バイアスが弱まっていることは、ETFへの数十億ドルの資金流入は即時ではなく、時間をかけて起こる可能性が高いというコンセンサスとは違った分析とも一致している。
市場は準備ができているか?
今後7日間の価格変動に対する市場の予想を示すATMのインプライド・ボラティリティは、12月29日以降、年率換算でほぼ倍増しており、より長い期間を上回っている。
これは、1月10日の期限を控えて、また期限直後から警戒を怠らないようにというトレーダーへの警告だ。
一方でより長期のインプライド・ボラティリティは小幅な上昇が続いている。サイントレーダーは、ETFの発表が価格変動の程度に一時的な影響を与えることを期待していて、さらに一部のアナリストは長期的にはETFが価格変動の重しになると予想している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Amberdata
|原文:Bitcoin Traders Pare Bullish Bias as Spot ETF Deadline Nears