ビットコインETF、日本での可能性は?

米東部時間1月10日、米証券取引委員会(SEC)がビットコインETF(ビットコイン現物ETF)を承認した。過去、各社の申請が何度も却下された末での待望の承認であり、日本でもSNSでは歓迎の声が上がっている。アメリカでのビットコインETF承認を受け、今後、日本にはどのような影響があるのか、日本でもビットコインETFの取り扱いは可能なのか。SBI VCトレードの代表取締役社長で、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)の金融部会長を務める近藤智彦氏に聞いた。

──ビットコインETF承認というニュースをどのように受け止めているか。

非常にポジティブなニュースだ。アメリカでの話ではあるものの、機関投資家の参入をはじめ、市場参加者の増加が期待されており、ビットコイン価格にも大きな影響を与えると捉えている。ETF組成に伴うビットコインのカストディなど、多くの暗号資産関連事業にも波及していくだろう。

──日本国内の暗号資産業界も勢いづくのでは。

個人としては、日本での今後の展開に期待している。ただし、今回のビットコインETFの承認は、あくまでもアメリカでの話であり、ビットコイン、さらには暗号資産へのポジティブな影響を期待しているが、あくまでも傍観者の視点で見ているに過ぎない。

一方、日本での今後のビットコインETFの可能性を検討する際には、我々自身が当事者になる。その場合、暗号資産交換業者のみならず証券会社、アセットマネジメント会社など、各プレイヤーによって役割や立場が異なってくる。それぞれのスタンスを考慮しつつ、必要な整理をJCBA金融部会が率先して着手したところだ。

──日本国内でのビットコインETF取り扱いの見通しは。

JCBA金融部会では既に、国内での暗号資産現物ETFに関して法規制も含めた実現可能性の整理に着手している。ビットコインETFという大きな存在に対処するために、さまざまなプレイヤーが存在するなかで、どのような可能性が考えられるのか。どのような法令・府令の改正などが必要になるのかの整理を進めているところだ。

日本での暗号資産ETFの取り扱いについては、整理すべき事項が多数存在している。例えば、今回承認されたような海外で組成されたビットコインETFを持ってこられるのか、国内で暗号資産ETFを組成するのか。さらに税制の問題もある。ETFは金融商品であり、個人の場合は分離課税となる可能性もある。一方、現物の暗号資産取引は総合課税であり、当然、整合性を求める声も出てくるだろう。

──SBIグループとしては、ビットコインETFを取り扱うことになるのか。

SBIグループとしては、投資家の為になる商品は積極的に取り扱っていきたいと考えている。SBIグループは総合金融グループであり、暗号資産交換業であるSBI VCトレード以外に、SBI証券をはじめとしてグループ内にさまざまな事業が存在しており、総合力をいかした顧客への金融サービス提供を志向している。投資家の為、そして関わる業界の為になるよう舵取りをしていきたいと考えている。

|文・編集:水野公樹
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