10億ドル(約1450億円、1ドル=145円換算)以上に相当する数万ビットコイン(BTC)がマイナーから暗号資産(仮想通貨)取引所に送られた。この流出は6年ぶりの高水準だ。
CryptoQuantのデータによると、ビットコインの大半はマイニング企業のF2Poolから移動している。CryptoQuantのアナリストであるブラッドリー・パク(Bradley Park)氏はテレグラムのメッセージで、この移動はマイナーがコスト増に直面しているためだと述べた。
パク氏は、流出の理由として、F2Poolがカザフスタンに移転したことによるコスト増と機材をビットメイン(Bitmain)の最新のアントマイナー(Antminer)T21にアップグレードする必要性(4月の半減によってマイニング報酬が減少してマシン1台あたりの収益も減少するため)を指摘した。
F2Poolのハッシュレートはすでに上昇し始めており、アップグレードを開始したことを示唆している。ハッシュレートとは、ブロックチェーン、グループ、または個人の計算能力の尺度だ。
マイナーは、トランザクションを検証し、ビットコインのようなプルーフ・オブ・ワーク(PoW)ネットワークを保護するために広範なコンピューティングリソースを利用するエンティティだ。ほとんどの収益は、通常、マイニングしたネットワークからトークンの形で自動的に与えられる報酬によって生み出される。
歴史的に、マイナーから取引所へのBTC流出は、価格下落に先行することが多いため、弱気シグナルになる可能性がある。
しかし、過去にマイナーからの流出が増加してBTC価格が下落したこともあったが、2019年8月のように、流出が増加したにもかかわらずビットコインの価格が上昇し続けたこともあった。
今現在、アナリストたちは、現在のマイナーからの流出は、アメリカ初のビットコインETFの上場の影で起こっているため、過度に弱気なシグナルではないとしている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CryptoQuant
|原文:Bitcoin Miner Outflows Hit Six-Year Highs Ahead of Halving, Sparking Mixed Signals