テクニカル指標はBTCの3万8000ドルまでの落ち込みを示唆

ビットコイン(BTC)は、1月11日にスポット上場投資信託(ETF)がアメリカでデビューして以来、典型的な「ニュースで売る」値動きと思われる動きで5%以上下落し、4万2600ドル付近になった。

10x Researchによるビットコインの価格パターンとテクニカル指標の分析によると、短期的には、この売りが続く可能性がある。

「ビットコインのRSIダイバージェンスは調整のシグナルだ」と、マーカス・ティーレン(Markus Thiele)氏率いる10x Researchは15日の顧客向けメモで述べており、ダイナミックサポートレベルの3万8000ドル付近でプルバックが息切れする可能性があると付け加えている。

弱気のダイバージェンス(テクニカル指標が、実際の相場とは逆方向に向かって動いている状態)は、価格が新たな極限に達し、相対力指数(RSI)のようなモメンタム指標がそうでない場合に発生し、上値の枯渇を示唆する。

BTCは先週、2年ぶりの高値となる4万9000ドルを超えたが、14日RSIではこれを確認できなかった。その後の価格下落により、弱気ダイバージェンスが確認された。

RSIは先週、BTCが2021年12月以来初めて4万9000ドルを突破したときに下落した。(TradingView/CoinDesk)

トレンドの強さと変化を測るために使用されるMACDヒストグラムもゼロを下回り、モメンタムの弱気転換を示唆している。

ティーレン氏によると、グレイスケール(Grayscale)のETFであるグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)の投資家が他の低手数料のオプションに切り替えることは、ビットコインの価格を圧迫する可能性が高い。グレイスケールの手数料は1.5%だが、ブラックロックなど他の資産運用会社の手数料は0.25%だ。GBTCは以前はクローズエンド型信託で、270億ドル(約3兆9000億円、1ドル=145円換算)以上のコインを保有する最大級のビットコイン保有者だ。GBTCは2013年に取引が開始され、1月11日に償還可能となった。

「グレイスケールは、投資家が手数料が80%も低い他の評判の良い会社を選ぶのではなく、(税金を考慮して)年間1.5%の運用手数料のETF商品から徐々に切り替えるだろうと考えている。親会社であるデジタル・カレンシー・グループ(DCG)とグレイスケール社自体に最近はネガティブなニュースが多かった。そして、一時は純資産価値に対して50%のディスカウントで取引されていた商品に2.0%の管理手数料を課していたため、GBTC保有者(時価総額270億ドル)に過大な手数料を課していたことになる」と10x Researchは述べている。

「投資家はBTCへのエクスポージャーを他のETF発行会社に移す前に、まず売却するだろう。これはビットコインの下落圧力を引き起こし、オーバーハングを残すだろう」と10x Researchは付け加えた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:TradingView/CoinDesk
|原文:Bitcoin’s Technicals Suggests Deeper Pullback to $38K: Analyst