待望のビットコイン現物ETF(上場投資信託)の承認が「ニュースで売る」出来事だったことが判明し、逆張りの賭けは正しかったことが証明されたかのように見える。アナリストらはビットコイン(BTC)の過去数カ月間の急激な価格上昇を考慮するとその可能性があると以前から警告していた。
「ニュースで売る」は資本市場でよく知られた用語で、強気イベントに向けて資産価格、レバレッジ、センチメントが上昇するものの、その後すぐに価格が下落することを表す。
一時4万1500ドルまで下落
ビットコインは、アメリカ初の現物ETFが先週11日に取引を開始したことで一時的に4万9000ドル(約710万5000円、1ドル145円換算)を超える2年ぶりの高値を付けた後、15日午前に4万1500ドルの安値まで下落。その後は回復した。
暗号資産取引所ビットバンクのアナリストらはCoinDeskに電子メールで、アメリカでのビットコイン現物ETFの承認は大いに期待されており、十分に価格に織り込まれていたため、このイベントが短期から中期の最高値となる可能性が高いと指摘した。
一方でアナリストらは、「ビットコインは短期的に利益確定の売り圧力に対して弱い可能性があるが、米国債利回りの低下や連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げに対する市場の楽観的な見通しを考慮すると、ビットコインの下値リスクは限定的かもしれない」と説明した。
4万ドルがサポートとの見方
ビットバンクは、短期的には4万ドルの心理的水準がビットコイン価格のサポートになると考えていると述べた。また、マーカス・ティーレン(Markus Thiele)氏率いる10x Researchのアナリストらは15日のメモで、価格は3万8000ドルでサポートされると予想していると述べた。
一方、FxProのマーケットアナリストであるアレックス・カプチケヴィッチ(Alex Kuptsikevich)氏は15日に電子メールでCoinDeskに対し、2023年の暗号資産の価格パフォーマンスが150%を超えていることを考慮すると、少なくとも4万ドルへの修正は「典型的な修正の範囲内」になるだろうと語った。
長期的には強気
このように、取引高が示すように機関投資家の間にETFに対する明らかな需要があることを考慮すると、ビットコインに対する長期的な期待は依然としてほぼ強気である。
暗号資産ファンドDecimal Digital Groupの創設者ヘンリー・ロビンソン(Henry Robinson)氏はCoinDeskへの電子メールで、「ビットコインETFは業界にとって変革的なものとなり、伝統的なウェルスマネジメントからのアクセスが大幅に向上することになる。その発売により、年金、寄付金、保険会社、ソブリン・ウェルス、退職金制度、信託などからビットコインへの新たな投資がもたらされるだろう」と述べた。
ロビンソン氏は一方で、「ETFの発売はエキサイティングではあるが、セルフカストディ以上の利点はないと考えている。長期保有者の場合、手数料がかかることでポジションが実質的に損なわれる。何年もかかるかもしれないが、ビットコインの普及が進み、金融機関の間でセルフカストディがより一般的になるにつれて、ETFの需要は減少すると予想している」と指摘した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Mark Basarab/Unsplash
|原文:Bitcoin Traders Eye Support at $40K as ETF Contrarian Bets Prove Right