ビットコインの「ニュースで売る」はバイナンスとOKXが主導:カイコ

先週1月11日にアメリカで上場投資信託(ETF)の取引が開始されて以来、ビットコイン(BTC)には売り圧力がかかっている。パリを拠点とするカイコ(Kaiko)が追跡したデータによると、売り圧力は取引量でトップの暗号資産(仮想通貨)取引所であるバイナンス(Binance)、OKX、アップビット(Upbit)に集中している。

時価総額トップの暗号通貨であるビットコインは、記事執筆時点では4万2800ドル前後で、11日につけた最高値4万8975ドルから12%下落した。価格の下落は、ETFのデビューを見越して開始したロング(買い)ポジションをトレーダーが利益確定したことに起因しているようだ。

累積ボリュームデルタ(CVD)と呼ばれる指標は、バイナンスのトレーダーがビットコインのいわゆる「ニュースで売る」によるプルバックを主導したことを示している。CVDは、買い数量と売り数量の正味の差を長期的に追跡し、市場における正味の強気圧力と弱気圧力を合計したものだ。正の値は過剰な購入量を示し、負の値はそうでないことを示唆する。

バイナンスのスポット市場CVDは11日にプラスに転じたが、それ以来下がり続けており、カイコのデータによると、ほぼ5000BTCに相当する資本流出が生じている。韓国のアップビットは2番目に大きな資本流出を見ており、イットビット(Itbit)とOKXがそれに続いている。

「ETFは先週の木曜日に取引を開始し、すべての主要取引所で累積ボリュームデルタ(CVD)が大きく上昇した。 アメリカの市場開場前後の1時間に、バイナンスでは3000BTC近くが市場で買われたが、一部の人が懸念していたように、このニュースが売りにつながり、バイナンスのCVDはOKXと同様にすぐにマイナスに陥った」とカイコは月曜日に発行された週次レポートで述べた。

「別の機関投資家向け取引所であるイットビットは、取引量は少ないものの、一貫した売りを示し、アップビットもほとんど戻さず、一貫した売りを示した」とカイコは付け加えている。

ビットコインのスポットCVDは、1月10日以降の主要取引所における純資本フローを計測している。(Kaiko)

ほとんどのETFのカストディ・パートナーであるコインベース(Coinbase)とビットスタンプ(BitStamp)のCVDはプラスを維持しており、価格が低迷する中、純資本流入を示唆している。

一部のアナリストによると、売りが勢いを失う前にBTC価格は4万ドル以下まで下落する可能性があるという。初日だけで40億ドル(約5800億ドル、1ドル=145円換算)の資金流入というブルームバーグのアナリストの予想にはほど遠く、価格がさらに下落する可能性を裏付けている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Kaiko
|原文:Bitcoin’s ‘Sell The Fact’ Pullback Came From Binance, OKX: Kaiko