ビットワイズ、ウォレットアドレスを公開──ビットコイン現物ETFプロバイダーでは初

暗号資産運用会社ビットワイズ(Bitwise)は24日、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)発行会社の中で初めて、ウォレットアドレスを一般公開した。

ビットワイズはX(旧Twitter)で、1月23日時点のビットワイズ・ビットコインETF(BITB)のビットコインアドレスと保有資産(1万1858BTC)を示すスクリーンショットを投稿。「誰でもファンドの保有資産と資金の流れをブロックチェーン上で確認できるようになった」と述べた。

透明性はビットコインの精神の中核

ビットワイズは、「オンチェーンの透明性はビットコインの精神の中核だ」とし、「我々はBITBできちんと実行することを誇りに思う。オンチェーンアドレスの公開は、公共の透明性を高めるための第一歩だ。インフラが進化するにつれ、Hoeskiのような企業と協力してリアルタイムの暗号化証明書を提供するなど、さらに多くのことを行っていきたいと考えている」と表明した。

ビットコインと暗号資産エコシステム全体は、前例のないレベルの透明性を目標にして設計されている。そのため、業界の参加者には、新しく発売されたETFを含めてほとんどの製品やサービスについて、背後にある財務状況についての詳細な情報を求める傾向がある。

ビットコイン現物ETFが発売されたことで、伝統的金融(Tradfi)業界が他の資産で行ってきたことと同じことをビットコインでも行うのではないか、つまり派手な宣伝やデリバティブを使用してかつては健全だったプロダクトを原型の残らないものに変えるのではないかとの懸念の声が少なくとも一部からは出ている。最近の注目すべき事例は、15年前の世界金融危機を引き起こした住宅ローン担保証券バブルだろう。

専門家はビットワイズの行動を称賛

ビットコインの今後がどうなるかはまだ分からないが、業界専門家は今のところビットワイズの行動を称賛している。

シリコンバレーの著名な投資家で米暗号資産取引大手コインベース(Coinbase)の元最高技術責任者(CTO)であるバラジ・スリニバサン(Balaji Srinivasan)氏は、「オンチェーン会計に向けた重要な第一歩」とコメントしている。

投資顧問会社ETFストア(ETF Store)の社長であるネイト・ジェラーチ(Nate Geraci)氏は、「ビットワイズのこれが気に入っている」とし、「ETFラップ商品の透明性に加えてオンチェーンの透明性。伝統的金融(Tradfi)と分散型金融(Defi)の橋渡しの新たな事例だ」と述べた。

一方、アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)は今週これ以前に、ビットワイズ、ブラックロック(BlackRock)、フィデリティ(Fidelity)、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)のビットコインウォレットアドレスをすでに特定していた。また24日には、ヴァンエック(VanEck)とウィズダムツリー(WisdomTree)のウォレットアドレスも特定した。

24日の資金の流れは含まれないが、ビットワイズは約4万ドル弱の現在のビットコイン価格で4億7400万ドル(約687億3000万円、1ドル150円換算)相当の1万1858BTCを保有している。暗号資産専門のETF発行会社としては最大で、過去8日間で5億1800万ドルの資金が流入した。これより流入が多いのはブラックロックとフィデリティの現物ETFのみで、それぞれ約18億ドルと15億ドルが流入している。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Unsplash
|原文:Bitwise Becomes First Spot Bitcoin ETF Provider to Provide Wallet Address