ビットコイン、米GDP発表と58億ドルのオプション満期を前に4万ドル以上を維持

ビットコイン(BTC)は1月25日の欧州取引時間中に4万ドルを超える足がかりを築き、ドルインデックスはアメリカの第4四半期国内総生産(GDP)データ発表を前に、ほぼ横ばいで取引されている。

時価総額トップの暗号資産(仮想通貨)であるBTCは、今週初めに3万8500ドル付近のディップ需要を試した後、協定世界時(UTC)25日午前9時38分(日本時間午後6時38分)には、4万100ドルで取引されていた。ドルインデックスは、米ドルの主要法定通貨に対する価値を測るもので、22日につけた103.82付近の高値から下落し、103.70付近で推移した。

紅海でインフレを招くような危機が続く中、トレーダーはアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測を再考している。フェデラル・ファンド先物によると、トレーダーは3月にFRBが利下げを実施する可能性を50%と見ており、1カ月前の80%から低下している。

UTC25日午後1時30分(日本時間午後10時30分)に発表されるアメリカのGDPデータを受け、さらなる調整が行われる可能性がある。CNBCによると、世界最大の経済大国であるアメリカの2023年最終3カ月GDPは、季節調整済み年率換算で2%増となり、第3四半期の4.9%増から後退、2022年第2四半期以来の低水準となる見込みだ。

オプションの期限に注目

UTC26日午前8時(日本時間午後5時)には、世界最大の暗号資産オプション取引所であるデリビット(Deribit)で、37.5億ドル(約5625億円、1ドル=150円換算)相当のビットコインオプションと20.7億ドル(約3105億円)相当のイーサリアムオプションが期限を迎える。

デリビットの最高執行責任者、ルック・ストリジャーズ(Lukk Strijers)氏は「明日のオプション満期が近づくにつれ、市場がETF導入とグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)巻き戻しのショックから着実に回復していることは明らかだ」と述べた。「注目すべきは、コールとプットのスキューが以前の低い水準から上昇していることで、市場センチメントが変化していることを示している」。

ストリジャーズ氏によると、トレーダーはポジションを1月限から2月限に繰り上げているという。

データによると、ビットコインの1月満期オプションの最大ペインポイントは4万1000ドルで、イーサリアムのそれは2300ドルだ。最大ペインポイントとは、オプションの買い手が満期時に最も損をする水準のことを指す。伝統的な市場では、オプションの売り手(通常は潤沢な資金を持つ機関投資家)は、満期を前に原資産であるスポット市場を最大ペインポイントに近づけ、買い手に最大限の損害を与えようとする。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin Holds Above $40K Ahead of U.S. GDP, $5.8B Crypto Options Expiry