フォーブスの革新的なフィンテック企業50選にチェイナリシス、ファイアブロックス、ガントレットがランクイン

フォーブス(Forbes)が毎年発表する革新的なフィンテック企業50社に選出された暗号資産(仮想通貨)企業は、チェイナリシス(Chainalysis)、ファイアブロックス(Fireblocks)、ガントレット(Gauntlet)の3社のみだった。アメリカに拠点を置く非公開企業が評価対象だった。

ニューヨークに本拠を置くチェイナリシスは、暗号資産トランザクション(取引)の調査と追跡を専門とするブロックチェーン分析会社。フォーブスによると、同社は5億3500万ドル(802億5000万円、1ドル150円換算)を調達し、2022年5月の評価額は86億ドル(1兆2900億円)だった。2022年10月に従業員の15%を削減し、2023年2月にもさらに5%を削減した。同社が10月7日のイスラエルでのハマスの攻撃と人質事件を受けてテロへの資金提供に関するレポートを発表したことは特筆に値する。これはウォール・ストリート・ジャーナルの報道に対する反証になった。

ファイアブロックスもニューヨーク拠点の企業で、マルチパーティコンピューテーション(MPC)などの暗号資産保管技術を専門とし、HSBC、BNYメロン(BNY Mellon)、BNPパリバ(BNP Paribas)などの大手銀行の顧客にサービスを提供している。ファイアブロックスはカストディサービス、財務管理、決済サービス用のソフトウェアを提供しており、昨年はトークン化企業のブロックフォールド(Blockfold)に1000万ドル(約15億円)を投じて製品範囲を拡大した。フォーブスによると、ファイアブロックスは10億ドル(約1500億円)を調達しており、2022年1月時点での評価額は80億ドル(約1兆2000億円)となっている。

ガントレットは、金融リスクのモデリングやシミュレーションのプラットフォーム。他の2社と同様にニューヨークに拠点を置いており、バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)からDeFiアプリケーションの進化を推進するプラットフォームの1つに挙げられた。ガントレットの発表によると、同社は90億ドル(1兆3500億円)の顧客資産を保護し、分散型取引所(DEX)のユニスワップ(Uniswap)、融資プラットフォームのアーべ(Aave)、Web3ゲームプラットフォームのイミュータブル(Immutable)などが顧客だという。フォーブスによると、ガントレットは4500万ドル(約67億5000万円)を調達し、2022年3月の評価額は約10億ドル(約1500億円)だった。

|翻訳・編集:林理南
|画像:mostafa meraji, Unsplash
|原文:Chainalysis, Fireblocks, Gauntlet Make Forbes’ Fintech List