- ビットコインは20日、2021年下半期に上値を抑えた重要な水準である5万3000ドルで再び大きな抵抗を受けた。
- あるアナリストは、この抵抗は過去の市場サイクルで上値を抑えていたテクニカルパターンである週足の一目均衡表の雲の上限と一致しており、ビットコインが5万3000ドル以下でさらなる値固めをする予兆かもしれないと指摘した。
ビットコイン(BTC)は20日、重要な5万3000ドル(約795万円、1ドル150円換算)の水準で再び大きな抵抗を受けた。これは、次の大きな動きが起きる前に値固めを続ける可能性があることを示唆している。
アメリカが3連休中だった週末は値動きが穏やかだったが、20日アメリカ時間午前にビットコインは5万1600ドルから5万3000ドル手前まで急速に上昇。しかし売り圧力によりすぐに反落を余儀なくされ、5万700ドルまで下落した。その後やや値を戻し、本記事執筆時点では5万1260ドルで取引されている。過去24時間では1.15%下落しており、暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk 20とほぼ一致している。
イーサリアム(ETH)の値動きも同様で、2022年4月以来初めて3000ドルを超えた後、2900ドル(約43万5000円)まで下落した。
ビットコインの急落は、日中5万2500ドルを超えるまで上昇していたが急反落した先週15日と16日の値動きと似ている。少し広い範囲で見ると、過去1週間ではおよそ5万1000ドルから5万2500ドルの範囲で推移している。
今後も横ばいが続くか?
5万3000ドルを突破する試みが失敗したことは、現在のレンジでのさらなる値固めの予兆かもしれない。1月下旬にビットコインETF(上場投資信託)を契機とした調整が起きた後に30%以上上昇した後、価格が一服した形になる。この価格帯は、2021年下半期に上値を抑えた、長期チャートにおける重要なレジスタンスエリアだ。
K33 Researchのアナリストであるヴェトル・ルンデ(Vetle Lunde)氏は20日、「現在の価格水準はビットコインの重要なテクニカル水準であり、2021年9月の『エルサルバドル』を契機とした上昇のピークと、同年12月4日の暴落前のレジスタンスの両方と一致している」と指摘した。
暗号資産分析会社スイスブロック(Swissblock)のアナリストらは先週16日、ビットコインの勢いが失速していることは、さらなる反落と買い機会の前兆となるかもしれないと指摘した。
5万3000ドルは一目均衡表の上限
5万3000ドルの領域は、過去の市場サイクルにおける週足の一目均衡表の雲の上限でもある。2016年と2019年にビットコイン価格の大きなレジスタンスとなった一方で、2017年初めと2020年後半にこの領域をブレイクした際には史上最高値に向けた道を開くことになった。暗号資産テクニカルアナリストのCryptoCon氏が指摘した。
X(旧Twitter)に投稿されたCryptoCon氏のチャートでは、ビットコイン価格は過去2回の強気市場でまず同様の水準に戻り、その後に長い値固めの相場が続いたことが示されている。一方、高値に向けたブレイクアウトはビットコイン市場サイクルのより後ろの段階、つまり4年に一度のビットコイン半減期後に起きたという。
CryptoCon氏は投稿の中で、「雲の上限が2回中間のトップとなっている。急激な抵抗が起きたポイントと長い横ばいの期間だ」とし、「今このポイントをブレイクすれば、いつもよりほぼ丸々1年早い」と指摘した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Suffers Swift Reversal at $53K, Suggesting More Consolidation Ahead