- 暗号資産マイナーのウォレットに保管されているBTCの数は今年8426枚減少し、10月に始まった減少がさらに拡大した。
- 差し迫った報酬半減と中国の天候が、マイナーがコインを放出している理由を説明しているのかもしれない。
暗号資産(仮想通貨)マイナーが保有するビットコイン(BTC)の数が2021年7月以来の低水準に落ち込んでいる。ブロックごとに得られる収益がプログラムにより半減されるのを前に、マイナーがコインを使い果たしているのだ。
Glassnodeが追跡したデータによると、マイニング事業者に関連するウォレットに保有されているBTCの推定数は、年初から8426BTC、5億3000万ドル(約795億円、1ドル=150円換算)相当が減少し、181万2482BTCになった。この減少はマイナーが183万BTC以上を保有していた10月後半から始まった。
マイナーは有効なブロックを作成し、公開台帳(ブロックチェーン)に取引記録を追加する。各ブロックで発行される新しいコインは、作業に対する報酬としてマイナーに与えられる。マイナーは取引手数料も受け取る。
現在、マイナーは1ブロックあたり6.25BTCを受け取っている。4月に予定されている半減は、この数字を3.125BTCに減らし、ブロックあたりの収益を50%削減するものだ。収益性を向上させるため、マイナーは蓄積されたBTCを使ってより効率的な機器を購入し、ランニングコストを下げている可能性があるとトロントに拠点を置く暗号資産プラットフォーム、FRNT Financialは述べている。
FRNT Financialは火曜日のニュースレターで「マイナーはまた、半減に先駆けてより良いポジションを取るために売却する傾向があるかもしれない」と述べた。「それは、半減がもたらす新たな経済効果のために、より効率的なマイニング機器を購入することが含まれる」。
半減はマイニング事業者にとってのストレステストであり、収益の減少と生産コストの上昇を同時にもたらすと見られている。業界再編の可能性もある。
中国の南西部では、通常10月から3月、4月まで続く乾季の長期化も、マイナーのビットコイン残高減少の原因かもしれない。中国はビットコインネットワーク上の総コンピューティングパワーのおよそ20%を占めている。
「中国の一部の地域のマイナーは、水力発電が豊富になる雨季に追加のハードウェアをオンラインにすることが知られている。マイナーは効率を求め、非稼働のマイニングハードウェアを乾季に売却することも考えられる」とFRNT Financialは述べた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ジョージア州のクリーンスパーク社にあるビットコイン・マイニング・リグ。(Eliza Gkritsi/CoinDesk)
|原文:Crypto Miners Still Selling Their Bitcoin as Reward Halving Looms, Blockchain Data Show