- The Market Earによると、ビットコインの相対力指数(RSI)は、価格の上昇を追いかけようとする短期トレーダーに注意を促している。
- RSIの「買われすぎ」の数値は、一時的な価格調整の可能性を示唆している。
時価総額トップの暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)は4週間で40%以上上昇し、6万9000ドル付近の史上最高値まであとわずかだ。
このような超強気な市況では、初期の上昇に乗り遅れた短期トレーダーや投機筋が両手を上げて飛び込み、先物のようなリスクの高いレバレッジ商品を使って利益を最大化し、当初傍観していた分を取り戻すことがよくある。
ニュース・分析サイトのThe Market Earによると、もしあなたがそのような短期トレーダーの1人なら、今上昇を追うのは危険かもしれないと示唆する新しい情報があるのでそれを考慮した方がよいという。
「ビットコインの14日相対力指数(RSI)は88。このようなレベルのRSIの買われすぎとビットコインの取引は見たことがない」とThe Market Earのアナリストは2月29日のニュースレターで述べている。
「ここで追いかけるのは、もう遅いように思える」とアナリストは付け加えた。
RSIはJ.ウェルズ・ワイルダー(J. Welles Wilder)によって開発されたモメンタム指標で、一定期間(通常は14日または14週間)の値動きの速さと変化を測定する。
RSIの数値が70を超えると「買われすぎ」の状態や、資産価格が長期にわたって高値圏で推移している状態、あるいは上昇スピードがやや速すぎ、すぐに調整が入る可能性がある状態を示唆する。
ビットコイン価格の6万ドルと並んで、RSIがこれほど高い水準に達したことはかつてなかった。前回ビットコインが6万ドルを超えて取引された2021年初めと2021年11月には、この指標は65から75の間でピークを迎えた。
RSIに対するビットコインの現在価値は、買われ過ぎのシグナルに信憑性を与えており、市場でロングのエントリーポイントを探している投機家に注意を促している。
とはいえ、RSIは聖杯ではない。市場はしばしば、数日から数週間にわたって強い上昇基調を維持し、RSIが70を超える状態が長く続くことがある。ニュートンの法則にあるように「動いている物体は、不均衡な力が作用しない限り、同じ速度で同じ方向に動き続ける」のだ。
買われすぎのシグナルは、長期的な成長を目指して所有し続けることを戦略としている長期投資家にとってはあまり重要ではない。そのような投資家は通常、短期的な価格変動を気にせず、全体像を重視する。
アナリストによると、ビットコインの大局観は強気だという。それは、4年ごとにマイニング報酬を50%削減する半減と、ウォール街が最近ビットコインのスポット上場投資信託(ETF)を受け入れたおかげだ。市場コンセンサスは、ビットコインは2025年9月までに12万ドル以上の価格を持つ可能性があるというものだ。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:The Market Ear, Refinitiv
|原文:Bitcoin Bulls Just Joining the Rally Are Very Late to the Party, Analyst Says