- ビットコインは6万7000ドルまで下落し、ゴールドとナスダックの下落に追随した。
- あるアナリストは、FRBの利下げ観測が薄れたことが下落のきっかけになった可能性が高いと述べた。
- QCPキャピタルは、スポットビットコインETFへの需要が持続している間は、幅広い上昇トレンドが維持されるとしている。
ビットコイン(BTC)の価格は、金曜日のアジア取引時間中に最安値6万7000ドルまで下落し、7%下落したが、その後、6万7800ドル付近まで回復した。
最大かつ最も流動性の高い暗号資産の指標であるコインデスク20指数(CD20)は6%下落した。Coinglassのデータによると、過去12時間で1億ドル(約150億円、1ドル=150円換算)以上のロングポジションが一掃され、過去24時間で1億6700万ドル(約250億円)のロングポジションが清算された。
ゴールドやウォール街のハイテク株指数のナスダック(NASDAQ)などの資産も今週、下落圧力を受けている。
アナリストの中には、BTCの過去最高値からの反落を、急激な上昇トレンドの後に見られる典型的な強気の息切れと表現する者もいる。
香港の取引所VDXのリサーチ責任者であるグレタ・ユアン(Greta Yuan)氏は、「最近の強い(アメリカの)CPI(消費者物価指数)データは、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待をさらに冷やし、ゴールドの価格も急落した。ビットコイン価格の急騰は、市場が正しく値付けするには上昇が速すぎたため、現在の調整が予想される」とコメントした。
Metalphaの創設者兼CEOであるエイドリアン・ワン(Adrian Wang)氏は、来月のマイニング報酬半減を前に、市場は不確実性に適応している可能性があると述べた。
「ブラックロック(BlackRock)のビットコインETFの歴史的な取引量は市場に不安を引き起こし、一部の関係者はビットコインの価格があまりにも早く急騰し、フラッシュクラッシュに見舞われる可能性を恐れている」とワン氏はCoinDeskの電子メールインタビューで述べた。「価格の修正は、半減イベントによって示された不確実性も考慮し、市場がビットコインに対する期待を調整していることを示している」。
とはいえ、シンガポールを拠点とするQCPキャピタル(QCP Capital)によれば、ディップはつかの間のものになりそうだという。
QCPキャピタルは、3月15日の朝にテレグラムで発表したメモの中で、「日々のBTCスポットETFの需要が堅調に推移している限り、これらの短期的な売り越しが上昇トレンドに持続的な打撃を与えることは非常に困難だ」と述べ、市場は来週の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の発表に向けて準備を進めているため、週末にかけてボラティリティが高まることが予想されると付け加えた。
「QCPでは、年末のBTC10万ドル-15万ドルのコールに強い需要が見られる」とメモには書かれている。
予測市場のポリマーケット(Polymarket)によると、アメリカ東部時間で次の金曜日正午までにBTCが7万ドル以上で取引を終える確率は38%で、今週初めの90%という高水準から大きく低下している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin Tumbles to $67K as Asia Begins Trading Day