- ビットコインとエヌビディア株の90日と52週の相関係数が0.80を超えた。
- ナスダック上場チップメーカーの株式急騰はAIバブルを象徴しており、まもなく崩壊する可能性があると複数のアナリストが見ているため、この正の相関は注目に値する。
ビットコイン(BTC)は、ナスダック上場の半導体チップメーカーであるエヌビディアの株式と連動した動きを続けている。一部のアナリストはエヌビディア株の急上昇を疑問視している。
時価総額トップの暗号資産(仮想通貨)は、3月14日の史上最高値7万3798ドルから8%以上下げている。しかし、CoinDeskのデータによると、価格は年初来で60%上昇している。エヌビディアは974ドルという最高値から9%引き下げたが、それでも77.5%の年初来上昇率を誇っている。
5年間でビットコインの時価総額は700億ドル(約10兆5000億円、1ドル=150円換算)から1兆4300億ドル(約214兆円)に跳ね上がった。同様に、エヌビディアの時価総額は約1000億ドル(約15兆円)から2兆ドル(約300兆円)超に増加した。
ChatGPTやその他の人工知能(AI)プロジェクトによるエヌビディア製プロセッサーへの需要の高まりが、チップメーカーの評価急上昇の主な原因となっている。
チャートプラットフォームのTradingViewによると、両者の90日相関係数は11月にプラスに転じて、2023年5月以来最高の0.86まで上昇した。52週相関係数は2020年7月以来一貫してプラスで、現在は2023年1月以来の高水準となる0.88まで上昇している。
0.80を超える係数は、ビットコインとエヌビディアの相関性が高く、同じ方向に動く傾向があることを示している。
投資顧問会社GMOを含む一部の市場観測筋は、AIの熱狂が2000年のドットコムバブル崩壊に似ていると懸念しており、この統計的関係は注目に値する。
GMOのチーフ投資ストラテジスト、ジェレミー・グランサム(Jeremy Grantham)氏は3月11日、「2022年12月のChatGPTのローンチは人工知能に対する一般的な認識を高めるのに役立ち、その後のAI銘柄への熱狂は 『バブルの中のバブル』を表しており、萎み始める可能性がある」と説明している。ビットコインもウォール街のハイテク株比率の高いナスダック指数も、2022年12月に底を打った。
「インターネットから電話、鉄道、運河にまで遡る、AIのような技術革命はすべて、投資家が技術の究極の可能性に注目し、超長期的な可能性のほとんどを現在の市場価格に即座に値付けするため、初期の大規模な誇大宣伝と株式市場のバブルを伴ってきた」とグランサム氏は指摘し、AIはバブルだとした。
「そして、そのような革命の多くは、最終的には、初期の投資家たちが予想したとおりの、あるいはそれ以上の変革をもたらすことが多い。しかし、それはバブルが崩壊し、かなりの失望の期間を経てからのことだ」とグランサム氏は付け加えた。
一方、Investing.comによると、シティのストラテジストは、AIはバブルだが2025年まで続く可能性があると述べている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:TradingView/CoinDesk
|原文:Bitcoin’s Correlation to Nvidia Strongest in Over a Year