ビットコイン、10%超上昇で6万7000ドル超え──FRBのハト派発言を好感
  • ビットコインは、FRBの利上げ方針やパウエル議長の発言を受けて、数時間前の安値から10%以上上昇し、6万7000ドルを超えた。
  • イーサリアムはSECの規制強化懸念での下落から反発し、ドージコインはコインベースが先物取引の上場を計画していることで急騰した。

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がハト派的なトーンで発言し、予想を上回るインフレ率にもかかわらず年内3回の利下げ見通しを維持したことから、暗号資産(仮想通貨)市場は急反発し、ビットコイン(BTC)は20日、6万7000ドルを超えた。

ビットコインは一時6万7781ドルまで上昇、数時間前の水準から10%以上の回復となった。イーサリアム(ETH)は、イーサリアム財団が当局から匿名の問い合わせを受けていることや、SEC(米証券取引委員会)が有価証券に分類することを検討しているとの報道がきっかけとなり、6%下落したが、そのご回復した。

ドージコイン(DOGE)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)は、数週間前に米規制当局のウェブサイトに掲載された、コインベースによる先物契約の上場計画に人々が気づき始めたため、主要暗号資産の中で上昇をリードした。CoinDesk 20 Index(CD20)は24時間で約3%上昇。

CD20での20日の上昇銘柄(CoinDesk)

伝統的市場も上昇した。S&P500は約1%上昇して史上最高値を更新、ハイテク株比率の高いナスダック100は1.3%上昇した。米ドル指数(DXY)は、セッションの高値から0.7%近く下落し、投資家のリスク選好の高まりを示した。

暗号資産市場は先週、急な調整に見舞われ、ビットコインは2022年11月のFTX崩壊以来、最大の下落に耐えた。先月のインフレ率がFRBの利下げ予定を抑制することを恐れ、市場参加者が20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での決定を前にリスク回避に転じたためだ。FOMCは、金利と利下げ計画を維持することで終了し、資産価格の重荷となっていたタカ派的シナリオが強まるリスクは取り除かれた。

パウエル議長は記者会見で、インフレ指数が上昇したにもかかわらず、「インフレを低下させることで良い進展を見せている」と述べた。

市場分析会社Reflexivity Researchのアナリスト、フェジャウ(Fejau)氏は、Xの投稿で「FRBはインフレ率の若干の上昇を予想しているが、ハト派的な傾向を妨げるほどではない」と述べた。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Tops $67K on Dovish Fed Remarks; Ether Rebounds From SEC Fears, DOGE Soars