- 最近ビットコインブロックチェーンで計算能力が急増し、新しいブロックの作成が加速している。マイニング企業が市場の強気トレンドを利用して利益を得ようとしているためだ。
- マイニング企業は、より強力な新しいリグを導入し、さらには使われなくなっていた古いマシンを再度稼働させることで「ハッシュレート」として知られるネットワークの計算能力を押し上げている。
- 歴史は繰り返されているようだ。4年前に起きた直近の半減期に先立つ数カ月間にも同様の動きが起きており、半減期が予想より早く発生した。
暗号資産(仮想通貨)業界は、来月に起きるビットコインブロックチェーンの「半減期」を心待ちにしている。半減期とは、ネットワークに新しいデータブロックを追加することに対する報酬が50%削減される4年に一度のイベントで、ブロックチェーンの基盤となるコードにあらかじめプログラムされているものだ。
半減期の日時が徐々に前倒し
鋭いウォッチャーは気づいているかもしれないが、予想される日時は徐々に前倒しされている。Nicehashのカウントダウンによると、半減期は現在4月15日頃になる可能性が高いと見られている。ほんの数カ月前には、4月28日に行われる予定だった。
4年前に起きた直近の半減期に先立つ期間に同様の現象が観察されており、歴史は繰り返されているようだ。
半減期は多くの人にとって重大な出来事と考えられており、ビットコイン(BTC)価格の上昇材料とみなされている。今年史上最高値の6万9000ドル(約1035万円、1ドル150円換算)強に向けて上昇する過程での注目のポイントとなることは確かだ。理論通りにいけば、ビットコインの新規発行が減って需要が増加し続けると、入手が難しくなって既存のビットコインの価値が高まる。4月の半減期では、ブロック報酬が6.25BTCから3.125BTCに減少する。
マイニング企業の競争激化
しかし、ビットコイン市場ではまた別の動きが起こっている。ビットコインの価格が上昇するとマイニング報酬が高くなるため、事業者がマシンを稼働させたり、「ハッシュレート」として知られる計算能力を強化したりするようになっている。
最近のハッシュレートの急上昇により新しいブロックの作成が加速している。マイニング企業は、利益を得るためにより新しくより強力なマシンを稼働させ、取り組みを強化している。
少し前までは、ビットコインマイニングマシンメーカーのAntminerが販売しているS19が非常に人気が高かった。現在は最新版のS21が発売されている。
ビットコインマイニング企業CleanSparkの技術担当シニア副社長、テイラー・マニング(Taylor Monnig)氏はインタビューで、「現代的なS19マイニングシリーズの平均は1秒あたり約120テラハッシュ(TH/s)だが、S21を稼働させると、スロットあたりのハッシュレートがほぼ2倍になる」と指摘した。
半減期は正式には21万ブロックごとに行われ、平均して10分ごとに新しいブロックがネットワークに追加されるため、約4年に1回になる。
ペースを維持するために時折「難易度調整」が行われるが、時間が経つにつれて、特に強気市場ではブロック追加の速度が向上する可能性がある。
半減期が近づくにつれ、一部の企業は手持ちのマイニング機器を最大限活用するためにすぐ時代遅れになる可能性のある古い機器を再導入する予定だ。
マイニング企業マラソン・デジタル(Marathon Digital)の最高成長責任者を務めるアダム・スウィック(Adam Swick)氏はインタビューで、「多くの人がたくさんのマシンを注文したため、世界的にハッシュレートが上昇するのは必然だった。それが一番の要因だ」とし、「重要度は下がるが、価格が高いために古いマシンを再稼働させていることも明らかだ」と述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:anncapictures/Pixabay
|原文:Bitcoin’s Halving May Be Here Sooner Than You Know (Again)