ビットコイン市場における投機的熱狂の度合いを測る方法
  • あるアナリストは、ビットコイン先物の翌月限と前月限のスプレッドから、市場の投機レベルを知ることができると指摘する。
  • CMEの1000ドルを超えるスプレッドは、過去には強気相場の頂点を示してきた。スプレッドは最近も1000ドルを超えて拡大している。

投機的熱狂、つまり不合理な熱狂と貪欲を特徴とする激しい投機は、市場の天井が差し迫ったことを示す悪名高い兆候だ。

ただし、ビットコイン(BTC)市場における投機的熱狂の兆候を追跡するには、永久資金調達率や社会動向などの高度な指標にアクセスして理解する必要がある。 しかし、驚くほど簡単な方法がもう1つあるので紹介しよう。それは、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)やデリビット(Deribit)といった主要な取引所で取引されている翌月先物契約と前月先物契約の価格のスプレッドを追跡することだ。

「前月限」は、現在の日付に最も近い満期日を持つ。2カ月後に満期を迎える契約は「翌月限」と呼ばれる。

先物の期間構造は通常、上向きに傾斜しており、有効期限が先の契約は期間の短いものよりプレミアム付きで取引される。暗号資産(仮想通貨)運用会社Blofinのオプション取引・調査責任者であるグリフィン・アーダーン(Griffin Ardern)によると、スプレッドが大きくなりすぎると、投機心理の良い指標になるという。

「通常、翌月と前月のスプレッドが大きい場合、投資家の投機マインドは高く、ロングポジションを保有するために高いコストを支払うことを厭わない」とアーダーン氏はCoinDeskに語った。「デリビットの期間構造にヒントを見出すことができるだろう」。

同じことがCMEの標準先物契約にも当てはまる。そのサイズは5BTCで、機関投資家の活動の代理と考えられている。

CME上場の翌月限と前月限のスプレッドは、2021年2月下旬と10月中旬に1000ドルを超えて拡大した。言い換えれば、スプレッドの拡大は強気相場が最終段階に入ったことを示すものだった。

ビットコインのCME先物スプレッドとコインベースでのスポット価格。(TradingView)
ビットコインのCME先物スプレッドとコインベースでのスポット価格。(TradingView)

今月上旬にも1000ドルを超える同様の急騰があり、ビットコインの強気派には注意が必要だ。諺にあるように、一度は偶然、二度は符合、三度は必然だ。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:TradingView
|原文:Want to Track the Speculative Frenzy in Bitcoin Market, Here’s How