米証券取引委員会(SEC)はビットコイン上場投資信託(ETF)の承認についての承認手続きを開始した。
2019年9月24日(現地時間)に発表された資料によると、SECは、ウィルシャー・フェニックス(Wilshire Phoenix)が組成する「Bitcoin and Treasury Investment Trust」のNYSEアーカ取引所(NYSE Arca)への上場を認めるためのルール変更案について審査を開始した。同社は当初、5月にルール改正案を申請していた。
このETFによって投資家はビットコインと米国債の両方への投資が可能になる。SECは、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン参考基準レートは不正操作を受けにくいという主張についてどう思うかなど、国民に多くの意見を求めた。
(あるコメントは、このプロセスに憤慨しているようで、匿名で『お願いだから、このビットコインETFを承認してほしい。キリがない』とだけ記していた)
別の発表資料によると、ウィルシャー・フェニックスの幹部、NYSEアーカの従業員、法律事務所スワード&キッセル(Seward & Kissel)のメンバーが9月上旬、SECのスタッフと面会した。
迫りゆく期限
SECは10月中旬、ビットワイズ・アセット・マネジメント(Bitwise Asset Management)が申請しているビットコインETFの承認判断の最終期限を迎える。
同社は、ビットコイン市場はこうした商品を支えるために十分に成熟していると規制当局を説得するために、SECに数多くのレポートを提出している。しかし、規制当局が納得しているか否かは分からない。
SECのジェイ・クレイトン(Jay Clayton)委員長は先日、ビットコイン市場の成熟は進んでいるものの、ビットコインETFの承認には依然として「やるべきことがある」と述べた。
ヴァンエック(VanEck)とソリッドX(SolidX)の申請も10月中旬が承認期限だったが、両社は9月上旬に申請を取り下げた。ヴァンエックのデジタル資産戦略担当ディレクター、ガーバー・ガーバックス(Gabor Gurbacs)氏はその後、こうしたプロダクトを届けることは「引き続き、最優先事項」と述べたが、3度目となるETF申請を行うか否かについては明らかにしなかった(承認申請は以前、2018年はじめの長期にわたった政府機関閉鎖中に取り下げられている)。
ウィルシャー・フェニックスの申請について、SECは35日以内の判断が法的に義務付けられている。
翻訳:Emi Nishida
編集:増田隆幸
写真:SEC image via Shutterstock
原文:SEC Delays Decision on Wilshire Phoenix Bitcoin ETF Proposal