「誰も売ろうと思っていない」ビットコインのオンチェーン送金額は低迷
  • ビットコインブロックチェーンの平均オンチェーン送金額は、2021年のピークを大きく下回っている。
  • 投資家が価格上昇を見越してビットコインを保有している証拠と、ブロックウェア・ソリューションズのアナリストは考えている。

ビットコイン(BTC)は先日、7万ドルを超えて史上最高値を更新した。それでもビットコインブロックチェーン上の実際の経済活動は、疾走しているのではなく、足を引きずっている。

この乖離は、市場における強い保有センチメントが一因と調査会社は述べた。

「平均オンチェーン送金額(米ドル建て)は、2021年の強気相場のピークを大きく下回っている。オンチェーンで価値はほとんど動いていない」とブロックウェア・ソリューションズ(Blockware Solutions)のアナリストはニュースレターの最新版で述べている。

「誰も(ビットコイン)を売ろうと思っていない」

データ追跡会社のグラスノード(Glassnode)は、送金額をオンチェーンで送金されたビットコインの米ドル換算額と定義している。

ビットコインの平均送金額(Glassnode)

グラスノードによると、当記事執筆時点、ビットコインの7日間と14日間の平均送金額は20万ドルを下回っており、2021年の強気相場の100万ドル以上からはかけ離れている。

ウォール街がビットコインETFを受け入れていることが、ビットコインの直近の上昇の主な理由だ。つまり、取引高はビットコインETFに集中しており、オンチェーンの取引高が少ないことも説明できる。

とはいえ、2022年の弱気相場を乗り切った投資家が、この先の価格上昇を期待してビットコインを保有していることを示す指標もある。

例えば、3年前以上と5年前以上に最後にアクティブになったビットコインの割合は増加し続けている(赤と青のグラフの丸印部分)。複数のアナリストは、ビットコイン価格は今後数カ月で10万ドルを超え、最終的には15万ドルを大きく上回るピークに達すると予想している。

「価格が本格的に動き始めれば、オンチェーン取引額は急増する。長期保有されたビットコインは取引所に移され、売却されるだろう。そのときまで、低いオンチェーン取引額は、供給サイドの非流動性を示している」とブロックウェアのアナリストは述べた。

ビットコインは当記事執筆時点、6万7700ドル付近、24時間で5%上昇した。より広範な市場指標のCoinDesk 20 Index(CD20)も同様に5%上昇した。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Glassnode
|原文:Nobody Wants to Sell BTC, Analyst Says as Bitcoin’s On-Chain Activity Limps