- ケリスデール・キャピタルはマイクロストラテジー株にショートポジション、ビットコインにロングポジションをとっている。
- マイクロストラテジー株の相対的魅力では、ビットコインの2倍以上の価格を正当化できないと同社は述べた。
- 同社は、マイクロストラテジー株はもはやビットコインにアクセスする唯一の手段ではないと指摘する。
マイクロストラテジー(MicroStrategy)の株価は28日、空売りで知られる投資会社ケリスデール・キャピタル(Kerrisdale Capital)がビットコイン(BTC)にはロングポジションをとる一方で、マイクロストラテジー株を空売りしているとレポートで伝えた後、最大で14%下落した。
「マイクロストラテジーの株価は、最近のビットコイン価格の上昇に伴い急騰したが、暗号資産(仮想通貨)業界でよく見られるように過熱してしまった」とケリスデールはレポートで述べた。
相対的に見たときのマイクロストラテジーの魅力として挙げられているものでは、「同じコインに2倍以上の金額を支払うことを正当化できない」と、レポートには書かれている。
ソフトウェア開発会社であるマイクロストラテジーのビジネスモデルは、ビットコインの取得と保有に基づいており、同社が保有する暗号通貨が評価額の大半を占めている。マイクロストラテジーは現在、約21万4246BTCを保有しており、これは総供給量2100万BTCの1%以上にあたる。
マイクロストラテジーの時価総額は約280億ドル(約4兆2000億円、1ドル150円換算)。一方、同社が保有するビットコインの価値は約152億ドル(約2兆2800億円)に上る。
レポートでは、マイクロストラテジーの株価から計算したビットコイン価格は17万7000ドル(約2655万円)になり、これは実際の現物価格の2.5倍だと指摘されている。
さらにケリスデールは、「マイクロストラテジーの株式がビットコインにアクセスする希少でユニークな手段であった時代はとうの昔に終わった」「ビットコインは現在、証券会社、暗号資産取引所、そして最近では手数料の安い上場商品(ETP)や上場投資信託(ETF)を通じて簡単に入手できる」と付け加えた。
マイクロストラテジーにコメントを求めたが、返答はまだない。
マイクロストラテジーの株を空売りしているのはケリスデールだけではない。S3パートナーズ(S3 Partners)のレポートによると、暗号資産関連株の空売り残高は合計107億ドル(約1兆6050億円)で、マイクロストラテジーとコインベース(Coinbase)がその84%を占めている。
|翻訳・編集:行武 温
|画像:Michael Saylor, executive chairman of MicroStrategy (Michael.com)
|原文:MicroStrategy Slumps 14% After Short Seller Says Stock Trades at an Unjustifiable Premium to Bitcoin