アルゼンチンは先週、仮想資産サービスプロバイダー(VASP)の登録規制を導入し、同国がエルサルバドルのようにビットコインを歓迎する方向に向かうことを期待していた人々からの反発を招いた。
新規制では暗号資産(仮想通貨)を購入、販売、送金、取引するプラットフォームや個人は規制当局に登録しなければならない。このルールは前政権が考案したもののようだが、ハビエル・ミレイ(Javier Milei)大統領の下で法制化されたことで、ラテンアメリカでまたビットコインに好意的な指導者が誕生することを期待していた人々の間で失望が広がった。
「ハビエル・ミレイは最初の大きなミスを犯した」と長年のビットコイン信奉者で、エルサルバドルのナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領のアドバイザーを務めるマックス・キーサー(Max Kieser)氏はXのポストで述べた。
「彼は時間をかけてビットコインを理解するという選択をしなかった」
ブケレ政権下のエルサルバドルは2021年、世界で初めてビットコインを法定通貨に定めた。
新規制の影響はすぐに表面化し、決済アプリ、ストライク(Strike)のユーザーは、アルゼンチンと米国間の海外送金(Send Globally)機能が使えなくなったとの通知を受け取ったと報告している。CoinDeskはストライクにコメントを求めたが、返答はまだない。
以前、中央銀行とインフレからの逃避先としてビットコインを称賛していたリバタリアンのミレイ大統領は、年間インフレ率が3桁を記録する中、2023年12月に政権を握った。ここまでのところ、同大統領は政府の規模と範囲を縮小することに成功し、アルゼンチンは今年、2011年以来初の月間財政黒字を計上した。インフレ率は昨年12月の25.5%から1月は20.6%、2月は13.2%に低下した。
誰もがVASP法を否定的にとらえているわけではない。「もしアルゼンチンが外国からの投資を誘致したいのであれば、これ(新規制)は必要だった」とあるアルゼンチン在住者はXで語った。
|翻訳・編集:行武 温
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|原文:Argentina President Milei Disappoints Some Bitcoiners as Crypto Registration Rule Begins