ビットコイン(BTC)は、4月3日の米国取引時間終盤、何度か緩やかに上昇した後すぐさま売られ、6万6000ドル(約990万円、1ドル150円換算)を下回ったままだった。
本記事執筆時点の価格は6万5800ドル(約987万円)で、過去24時間大きな動きはない。ビットコインキャッシュ(BCH)とライトコイン(LTC)の10%下落に引きずられ、広範な市場を追うCoinDesk 20(CD20)は0.7%下落した。
ビットコインは3日、6万6500ドル(約998万円)付近まで2回上昇し、うち1回は3月の米国サービス産業の成長率が予想よりも軟調だったこと、もう1回は米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長が、インフレと経済の両方が引き続き好調であるにもかかわらず、年内の利下げ可能性を保持する発言をしたことが主な要因だった。
2024年のビットコインの上昇局面は、2月中旬から3月中旬に集中している。この期間ビットコインETFは、グレイスケール(Grayscale)のGBTCによる大幅な売りがあったものの、1日あたり5000~1万3000BTCを定期的に追加していた。しかしそれ以降は、GBTCのビットコイン売りが継続した一方で、他のETFによる買いが鈍化し、ビットコインETF全体としてのBTCの保有量が純減した日も多く見られた。
これに伴い、ビットコイン価格は3月12日に記録した約7万3500ドル(約1103万円)から約10%下落した。
マクロ要因
ビットコインETFの承認に加え、今年期待されていたのがFRBによる金融緩和政策だった。しかし経済指標を見るかぎり、その望みの大部分は崩れ落ちそうだ。
インフレ率は2023年を通じて順調に低下していたが、2024年の最初の数ヵ月は上昇に転じた。2月のインフレ率は前年比3.2%で、FRBが目標とする2%を大きく上回っている。一方、政府統計によれば、今年に入り毎月20万人以上の雇用が増加し、失業率は歴史的な低水準を維持している。
米国時間3日未明、ADPが発表した3月の民間雇用者数は18万4000人増と、2月の15万5000人増と3月の予測値だった14万8000人増を上回った。雇用統計のメインイベントは、5日に発表される非農業部門雇用者数で、エコノミストは20万人増を予測している。
好調な指標を受けて、米10年債利回りは2024年の最高値である4.43%まで上昇し、米ドルは昨年11月以来の高水準となった。いずれもビットコインを含むリスク資産の価格に負の影響を及ぼす傾向がある。
|翻訳・編集:行武 温
|画像:Bitcoin price action continues to be choppy (Creative Commons, modified by CoinDesk)
|原文:Choppy Bitcoin Price Action Continues Ahead of Friday’s Jobs Report