4日にビットコイン(BTC)は今週の下落分のほとんどをなんとか取り戻すことができた。株価の方はアメリカの取引時間終盤に急落していたため、暗号資産強気派にとってはプラスの乖離が見られた日となった。
この日終盤の取引では、S&P500とナスダックはそれぞれ1%近く下落した。これは大幅下落というほどではないが、この日の高値からは約2%の反落となった。下落の背景には、ミネアポリス連銀のニール・カシュカリ(Neel Kashkari)総裁のタカ派的なコメントがあった。
カシュカリ総裁はLinkedInのバーチャルイベントで、「インフレ率が横ばいの推移を続ければ、そもそも利下げをする必要があるのか私は疑問に思うだろう」と発言した。カシュカリ総裁は今サイクルのFRBメンバーの中で最もタカ派の一人だったため、この発言はそれほど予想外ではなかったはずだが、株価はすぐに下方向に反応した。この発言は、今年のある時点で利下げが行われると引き続き予想しているとスタンフォード大学の聴衆に対して語った昨日のジェローム・パウエル(Jerome Powell)FRB議長のコメントとも食い違っている。
それでも、5日に行われる政府の3月雇用統計の発表により、金利見通しがより明確になる可能性がある。これまでのところ、雇用統計が弱まることでFRBがより迅速に利下げサイクルに移行するのではないかと期待していた層は失望している。雇用の伸びは2023年全体で、そしてこれまでのところ2024年も堅調な水準を維持している。
エコノミスト予想では、3月の雇用増加は20万人と見込まれており、2月の27万5000人からは減少しているものの、高い数字となっている。失業率は3.9%で安定すると予想されている。
一夜にして6万5000ドルまで下落したビットコインは、アメリカの取引時間の大半を通じて上昇し、一時は6万9000ドル(約1035万円、1ドル150円換算)を超えた。本記事執筆時点では6万8750ドルで推移しており、過去24時間で4.5%上昇した。同期間中、取引高上位の暗号資産のパフォーマンスを示すCoinDesk 20は3.25%上昇したが、イーサリアム(ETH)はわずか1.75%上昇で顕著に出遅れた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:ニール・カシュカリ総裁(Fox News)
|原文:Bitcoin Adds 4.5% as Stocks Reverse Lower on Hawkish Fed Commentary