マイニング事業者のハット・エイト、ライバルとの合併後に多角化──アナリストは「買い」を維持
  • カナコードは、ハット・エイトはUSビットコイン・コーポレーションとの合併後、多角化していると述べた。
  • カナコードはハット・エイトの目標株価を17.50ドルから14ドルに引き下げる一方、買い評価を維持した。
  • ハット・エイトは9000ビットコイン以上を保有しており、柔軟性があるという。

ビットコイン(BTC)マイナーのハット・エイト(Hut 8)は、昨年末のUSビットコイン・コーポレーション(US Bitcoin Corp.)との合併完了後、複数の収益源を持つ、より多様化した企業になったと、ブローカーのカナコード・ジェニュイティ(Canaccord Genuity)は4月4日の調査報告書で述べた。

ジョセフ・ヴァフィ(Joseph Vafi)氏率いるアナリストは「新しいハット・エイトは毎秒7エクサハッシュ(EH/s)のセルフマイニング能力を持ち、セルフマイニングからの収益が現在の収益の68%を占め、残りはマネージドサービス、ホスティング、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)によるものだ」と述べた。

カナコードは、目標株価は17.50ドルから14ドルに引き下げたが、レーティングを買いを維持した。ハット・エイトの4月4日の終値は9.69ドルだった。

合併が完了した後、ハット・エイトはコスト削減とキャッシュフロー増加を目的としたリストラ策に着手したとカナコードは指摘している。

「その結果、同社はUSビットコインの独自技術を全施設に導入した」と報告書は述べてる。「エネルギー管理ソフトウェアを使用することで、同社は現在、採算が取れる時のみBTCをマイニングしている」。

今月後半にビットコインの半減イベントが予想される中、経営陣は新しいマイニングマシンの購入についてより慎重なアプローチを取っており、これは「少なくとも当面は規模よりも効率を優先している」ことを示していると報告書は述べている。

カナコードは、マネージドサービス事業の規模に勇気づけられたと述べ、Iconic Digitalとの提携が年間2000万ドル(約30億円、1ドル=150円換算)以上のキャッシュを生み出すと指摘した。

「最後に、9000BTCを超える保有量もまた、同社に大きな柔軟性をもたらしている」と報告書は付け加えた。

ハット・エイトの前CEOのジェイミー・レバートン(Jaime Leverton)氏は、同社が空売り報道で打撃を受けたわずか数週間後の2月に同社を去った。彼女の後任は、USビットコインを共同設立し、合併後の11月にハット・エイトの社長兼取締役に就任したアッシャー・ジェヌート(Asher Genoot)氏だ。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:hut8.io
|原文:Bitcoin Miner Hut 8 Has Larger, More Diversified Business Model Following USBTC Merger: Canaccord