- クロスチェーンブリッジ「Transporter」は、SWIFTでも利用されているチェーンリンクのCCIPを採用しており、ブロックチェーン間で安全に高額なトークンや重要なメッセージをやりとりできる。
- ブリッジは個々のブロックチェーンを接続する上で重要な役割を果たすが、しばしば悪用の対象となる。
- Transporterはまずはアービトラム、アバランチ、ベース、BNBチェーン、イーサリアム、オプティミズム、ポリゴン、ウィーミックスで利用可能になる。
チェーンリンク(Chainlink)は4月11日、ブロックチェーン間での暗号資産(仮想通貨)やデータのやりとりを仲介するクロスチェーンブリッジ「Transporter(トランスポーター)」を発表した。
同ブリッジは個人・機関投資家どちらも利用可能で、「ブロックチェーン間で高額なトークンも安心して移転できるコスト効率に優れた手段」の実現を目指していると、チェーンリンクの広報担当者はテレグラムでのインタビューで説明した。
プレスリリースによると、Transporterを最初に利用できるブロックチェーンは次の通り。アービトラム(Arbitrum)、アバランチ(Avalanche)、ベース(Base)、BNBチェーン(BNB Chain)、イーサリアム(Ethereum)、オプティミズム(Optimism)、ポリゴン(Polygon)、ウィーミックス(WEMIX)。
チェーンリンクはこれまでブロックチェーンと外部データを接続する重要なソフトウェアプラットフォーム(オラクルサービス)として機能してきたが、Transporterのリリースとともに急成長中のクロスチェーンブリッジ領域への参入を果たした。デジタル資産経済が急成長するなか、ブリッジは日々増加する個々のブロックチェーンをつなぎ、価値とデータを移動させる重要な役割を果たす。ディファイラマ(DefiLlama)のデータによると、既存のブリッジは先月までに約120億ドル相当の資産をチェーン間で移転している。しかし、ブリッジはしばしば悪用やハッキングの標的となり、ユーザーに損失を与えるリスクを抱えている。
チェーンリンクの共同創設者であるセルゲイ・ナザロフ(Sergey Nazarov)氏は声明の中で「ブロックチェーン業界は、チェーン間で価値とデータを安全に移動させる方法を長年求めてきた」と述べた。
「Transporterであれば、チェーンリンクが誇るCCIPの強固なセキュリティ機能を簡単に活用できるため、ブロックチェーン間で安全に高額なトークンや重要なメッセージをやりとりできる」
Transporterは、チェーンリンクのCCIP(Cross-Chain Interoperability Protocol:クロスチェーン相互運用プロトコル)上に構築されている。CCIPは、チェーンリンクとSWIFT(銀行が国際送金を行うために使用するクローズドなネットワーク)とのパートナーシップを支える重要な技術だ。
またTransporterでは、グローバルなサポートと、チェーン間の送金状況をリアルタイムで視覚的に追跡できるトラッカーも提供される。CCIPの利用には通常の手数料がかかり、これにより送金先のブロックチェーン上でトランザクションを実行するコストと、CCIPサービスプロバイダーの手数料が賄われる。
「Transporterはクロスチェーンで高額なやりとりをする際のブリッジとして、すぐに普及していくだろう」と、Transporterの初期ユーザーであるフォース・レボリューション・キャピタル(Fourth Revolution Capital)の投資家ノマティック(Nomatic)氏は述べた。
|翻訳・編集:行武 温
|画像:Chainlink co-founder Sergey Nazarov speaks at the project’s SmartCon conference this week in Barcelona. (Chainlink)
|原文:Chainlink Aims to Make Transfers Across Blockchains Safer with New Bridge App ‘Transporter’