ビットコイン、「終末的な上昇」で12万ドルに急騰する可能性:一部トレーダー
  • 最近ビットコインは週に10%下落しているにもかかわらず、地政学的なイベントや投資ヘッジの模索により、一部のトレーダーは今後数カ月で急騰する可能性があると指摘している。
  • ビットコインと伝統的な市場資産との相関関係は依然として高いが、一部の投資家は暗号資産をヘッジや投資のオプションとして有効とみなしており、価格は今後数カ月で12万ドルに達する可能性があると予想している。

ビットコイン価格が週に10%下落したことを受けても、国際政治や投資ヘッジの模索によって、今後数カ月でビットコイン(BTC)の高騰が加速する可能性があると一部のトレーダーは指摘している。

地政学的イベントのヘッジに

ビットコインは長い間、地政学的なイベントに対するヘッジになり得ると考えられており、もともとは2008年の金融危機をきっかけに誕生した。一部のトレーダーは、ビットコインがここ数年間、伝統的な市場資産との相関関係が高い状態を維持しているにもかかわらず、ヘッジのナラティブ(物語)は依然として存続しているとしている。

ティール・キャピタル(Tyr Capital)の最高投資責任者(CIO)を務めるエドゥアール・ヒンディ(Edouard Hindi)氏は電子メールでCoinDeskに対し、「ビットコインは、最近金との相関性が高まっており、投資家が伝統的な金融資産からの分散化を続けていることから、2024年にも依然として終末資産として有効だ」と述べた。

ヒンディー氏は、「ETFは現在この終末的な上昇の先頭に立っている。世界の地政学が悪化し続け、中間層が富を守る方法を模索し続ける中、は今後数カ月以内に12万ドルに達すると予想すべきだ」と語った。

週末に暗号資産市場は大幅下落

ビットコインの半減期を前にした利益確定があったことに加え、イランとイスラエルの間の緊張が高まったことで、週末の暗号資産市場は崩壊した。半減期は4月20日に予定されており、ネットワーク報酬が50%削減される。

主要な暗号資産は、15日月曜日に下落分の一部を回復したものの、週末には先週のピーク価格と比較して18%も下落していた。イランがイスラエルに300以上の無人機とミサイルを発射したことへの対応をイスラエルが検討している中、16日火曜日のアジア時間午前に下落が再開した。

他には、ビットコインETF(上場投資信託)への資金流入が過去1週間で鈍化した。データによると、15日に資金が流入したのはブラックロック(BlackRock)のIBITのみで、他の10のETFはすべて純流出だった。

一部の市場ウォッチャーは、ビットコインの短期的な値動きが今後数週間の暗号資産市場全体の方向性を定めるだろうと述べている。

FxProのシニア市場アナリスト、アレックス・クプツィケビッチ(Alex Kuptsikevich)氏はデイリーノートで、「アメリカの株式市場の下落は月曜遅くに世界的なリスク選好に影響を与え、当初の好調な状況を逆転させた。市場は3月の安値付近で推移している」とし、「これは今後数週間の市場の方向性を決める重要な瞬間だ。この水準から回復すれば、最近の高値までの早期回復が期待できるだろう。これを下回ると、より幅広いポジションの清算が引き起こされる可能性が高い」と指摘した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Kurt Cotoaga/Unsplash
|原文:Bitcoin Could Surge to $120K on ‘Doomsday Rally,’ Trader Says