日本銀行は4月17日、「CBDC(中央銀行デジタル通貨)に関する関係府省庁・日本銀行連絡会議 中間整理」を公表した。
中間整理とその概要のPDFは財務省のWebサイトからダウンロードできる。
中間整理では、まず「諸外国においてCBDCの検討が本格化。主要国・地域は、これまで明確な発⾏判断を⾏っていないものの、それぞれ調査研究・検討を進めている」としたうえで、検討を進めるCBDCについて、「スマートフォンアプリやカードを⽤いた決済が想定されているデジタル通貨。現⾦と同様、例えば⽇々の買い物など、⽇常取引に幅広く使うことができる。誰でも、いつでも、どこでも使うことができる決済⼿段。信⽤リスクなく安全に利⽤できるとともに、基本的に即時に決済が完了し安⼼して受け取ることができる」と位置づけた。
続けて、現状認識(我が国の現金・その他の決済手段を巡る状況、諸外国の主な状況、日本銀行における取組状況)を述べたのち、「制度設計の⼤枠の整理に向けた考え⽅」として、以下の5つをあげた。
(1)⽇本銀⾏と仲介機関の役割分担
(2)CBDCと他の決済⼿段の役割分担
(3)セキュリティの確保と利⽤者情報の取扱い
(4)法令⾯の対応
(5)その他
いくつかポイントを抜粋すると、
(1)⽇本銀⾏と仲介機関の役割分担 では、「現⾦同様、仲介機関が⽇銀と利⽤者の間に⽴ち、CBDCの授受を仲⽴ちする「⼆層構造」が適当」とし、いわゆる「二層構造」のCBDCが想定されている。日銀の役割について、「⺠間決済サービスの⾼度化を図るといった「触媒」としての役割も求められうる」とあるのは興味深い。
(2)CBDCと他の決済⼿段の役割分担 では、現金との共存・役割分担について、「政府・⽇銀は、仮にCBDCが導⼊された場合も、現⾦に対する需要がある限り、責任をもって供給を継続」「CBDCは、現⾦と相互に補完するものと考えることが基本」としている。
なお、オフライン機能は「⼆重使⽤や偽造のリスクもあるため、当初から導⼊する必要性は低い」、匿名性については「⾼額・⾼頻度での取引が容易になる可能性も踏まえ、検討」となっている。
(3)セキュリティの確保と利⽤者情報の取扱い では、「万全のサイバーセキュリティ対策・情報セキュリティ対策を講じる」とし、「事前の対策とともに、事後対応にも万全を期す」とある。
(4)法令⾯の対応 では、「将来の技術⾰新に柔軟に対応できる制度設計とし、法制度が特定の技術を前提としないようにしていくことが重要」としている。
(5)その他 では、コスト負担のあり方、クロスボーダー決済のほか、「誰⼀⼈取り残されない、⼈に優しいデジタル化」への配慮があげられている。
|文:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CBDC関係府省庁・⽇本銀⾏連絡会議中間整理(概要)より