ニューヨーク証券取引所、24時間年中無休の株取引について市場参加者から意見を募集
  • ニューヨーク証券取引所は、米株式市場の24時間年中無休の営業体制への移行について市場参加者からの意見を募集している。
  • 24時間取引は新型コロナウイルス感染症のパンデミック中に人気となった。この時期に暗号資産の取引が活発化し、個人投資家の関心が高まった。
  • スティーブ・コーエン氏が支援する取引プラットフォーム「24エクスチェンジ」は現在、初の24時間年中無休の取引所を立ち上げられるかどうかをめぐりSECの決定を待っている。

フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)紙の報道によると、ニューヨーク証券取引所(New York Stock Exchange)は市場参加者に対し、暗号資産(仮想通貨)と同じスケジュールで市場が24時間運営されるとしたらどう思うか質問したという。

ルーツは18世紀にまで遡るニューヨーク証券取引所は、1日の取引の開始と終了を午前と午後に鐘を鳴らす儀式で合図することで有名だ。ただし、電子取引が発達したことで、数十年前から売買は実際にはニューヨーク時間午前9時30分の最初の鐘と午後4時の2回目の鐘の後にも行われていた。

しかし、億万長者のヘッジファンドマネージャー、スティーブ・コーエン(Steve Cohen)氏が支援するスタートアップの24エクスチェンジ(24 Exchange)は、24時間年中無休の取引を可能にする初の証券取引所として、その状況をさらに一歩前に進めたいと考えている。ロビンフッド(Robinhood)のような一部の個人向けブローカーはすでに顧客が昼夜を問わず取引できるようにしている。

そして、暗号資産は取引が全く停止しない。「24時間年中無休で暗号資産を取引したい人は、アップル(Apple)やマイクロソフト(Microsoft)も24時間年中無休で取引することを好むだろう」と24エクスチェンジの創設者兼CEOのドミトリ・ガリン(Dmitri Galin)氏は2023年にブルームバーグ(Bloomberg)に語った。

新型コロナウイルス感染症のパンデミック中に暗号資産への関心が急増し、個人トレーダーの取引が大幅に拡大したことを受けて、24時間取引というアイデアの人気が高まった。アメリカの金融資産に対するアジアや欧州の投資家の関心も近年高まっている。

翌日物取引プロバイダーであるブルー・オーシャン(Blue Ocean)のブライアン・ハインドマン(Brian Hyndman)CEOは12月にフィナンシャル・タイムズに対し、「パンデミックと24時間365日の暗号資産取引によって世界は変わった。今では誰もが夜間取引を処理するためのインフラとサポートを持っている」と語った。

フィナンシャル・タイムズによると、ニューヨーク証券取引所が行った調査の質問には、市場参加者が夜間取引を年中無休で行うことを好むかどうか、投資家を価格変動からどのように保護すべきか、夜間取引の人員配置に関する意見などが含まれていたという。

米証券取引委員会(SEC)が24エクスチェンジの申請について決定を下すまでに数か月かかる見通し。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Tomas Eidsvold/Unsplash
|原文:NYSE Asks Market Participants About 24/7 Trading for Stocks