今回も半減期後の上昇がくるのか? ビットコイン相場は足元で高値を目指す展開【bitbankチャート分析】

ビットコイン週足チャート

(bitbank.cc)
  • 今月のビットコインは、月始めに利確売りが入り下落する展開となりました。週足は先週まで3週連続で陰線を記録していました。一方、先週は長い下ひげを付けており、強い買い戻しも見られました。今月のマイナス幅は一時-14%となっていましたが、足元では4%台まで減少しています。値動きは今週に入ると相場は底堅さを取り戻し、足元では上昇しています。価格は先週920万円台まで下落する場面がありましたが、サポートラインは固く、現在は1000万円台を回復しています。週足は2週間移動平均線(8EMA)の上位を維持し、長期では強いプライスアクションが継続されています。

ビットコイン日足チャート

(bitbank.cc)
  • ビットコイン日足を見るとわかりますが、相場は1090万円から1020万円のレンジで推移しています。先週は90日移動平均線近辺(90EMA)から反発しました。1月にも押し目の際には90EMAで反発し、その後の上昇トレンドに繋がりました。テクニカル的なサポートとして意識されています。短期的にはレンジのサポートから反発しているため、今度はレジスタンスを試す可能性が高まっています。日足は短期移動平均線(30日移動平均線)も上回っており、上値を目指す体制に入っています。レジスタンスを超えることができれば、再度上昇トレンドが発生することが予想されます。

デリバティブはロングポジション比率が大幅低下

(3か月先の先物乖離率:glassnode)
(ファンディングレート:glassnode)
  • ビットコインのデリバティブ市場では、今月に入りロングポジションが大きく減少しています。3ヶ月先の先物乖離率は、3月31日時点で30%を記録していました。相場が高値圏で推移していたため、多くの投機筋がロングポジションを持っていました。一方、現在の乖離率は10%程度で推移しており、ここ最近の価格下落で20%も先物乖離は低下しました。短期的なデリバティブ市場の無期限先物取引でも足元でファンディングレート(FR)は-0.002%で推移しています。投機筋は急速に相場の目線を下げていることを示唆しています。このままロングポジションが低下したまま高値を試した際は、年初来高値の更新も見えてくるでしょう。

今回も半減期後の上昇相場は来るのか?

(ビットコイン月足:bitbank.cc)
  • 前回の半減期は2020年5月にありました。半減期後の相場は、底堅い動きとなり夏頃から価格の上昇が始まりました。今月は4回目の半減期が予定通り行われ、マイニング報酬は3.125BTCとなりました。これまでの半減期アノマリーでは、半減期から1年ほどは上昇トレンドが続き、最高値を大きく更新しています。今回は年初にアメリカで現物ETFが承認されたことと円安の影響からすでに前回の高値を更新しています。足元では再び最高値1090万円を試す機運が高まっています。高値を更新することができれば、供給量が不足することで価格が上昇する半減期相場に突入することが予想されます。

まとめ

  • 先月までの相場には急激に上昇した反動から過熱感があったため、短期的には買いポジションに対して慎重になった方が良い状況でした。実際の相場では調整局面を迎え、高値の1090万円から920万円まで下落する動きがありました。一方、相場は安値でサポートされ、デリバティブ市場でも投機熱が後退していることが確認されました。また足元のテクニカルも強い状況となっており、今後の半減期相場に向けて徐々に買いポジションを増やせる状況となりました。現在レジスタンスとなっている1090万円を超えると上昇トレンドが発生することを踏まえて、徐々に相場の目線感を上げていく時期でしょう。

|文:真田雅幸/bitbankマーケット・アナリスト
|編集:CoinDesk JAPAN編集部
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