- カナコードはマイクロストラテジーの目標株価を1810ドルから1590ドルに引き下げた。
- マイクロストラテジーは第1四半期にビットコインを買い増し、現在合計21万4400BTC(約136億ドル相当)を保有しているという。
- マイクロストラテジーは1億9160万ドルの暗号資産減損費用を計上した後、5310万ドルの第1四半期純営業損失を計上した。
マイクロストラテジー(MicroStrategy)は第1四半期に15億ドル(約2325億円、1ドル=155円換算)以上の資金を調達し、その資金で2万5250ビットコイン(BTC)を追加取得し、現在約136億ドル(約2兆1000億円)相当の21万4400BTCを保有していると、ブローカーのカナコード・ジェニュイティ(Canaccord Genuity)は4月29日の調査報告書で述べた。
マイクロストラテジーの企業戦略の一部は、ビットコインの取得と保有に基づいている。同社の総保有量は、ビットコインの総流通量1970万トークンのほぼ1%に相当する。
このソフトウェア会社は、ビジネスをクラウドに移行したため、第1四半期に2桁のサブスクリプション・サービス収益の伸びを達成したという。それでも、1億9160万ドル(約297億円)の暗号資産(仮想通貨)減損費用を計上し、5310万ドル(約82億3000万円)の純営業損失を出したと、同社は29日のプレスリリースで発表した。
同社は暗号資産の公正価値会計基準を新たに採用し、第1四半期のビットコインの上昇により多額の利益を計上することも可能だったが、それを見送った。
カナコードはマイクロストラテジーの目標株価を1810ドルから1590ドルに引き下げる一方、「買い」のレーティングを維持した。
ジョセフ・ヴァフィ(Joseph Vafi)氏率いるアナリストは、「新たな目標株価の主な要因は、BTCの継続的な上昇とソフトウェア事業の再評価だ」とし、「マイクロストラテジーの保有BTCに対する現在のプレミアムを考慮すると、これが現在の水準からの上昇要因になるとは想定していない」と付け加えた。
「現在の71%のプレミアムは依然としてかなり大きいため、ここでの収縮はリスク要因とみなすべきだ」と著者らは書いている。
保有するビットコインには希少価値があり、多くの株式投資家にとって、暗号資産へのエクスポージャーを得る最良の方法の1つであり続けていることを考えると、「マイクロストラテジー株にスポット投資のプレミアムが再浮上する可能性がある」とカナコードは述べている。
ビットコインに対してもポジティブだ。「BTCは、スポット上場投資信託(ETF)が主要な資産運用会社から出ており、最近のBTC半減と相まって非常に強力な採用が行われていることから、上昇に偏っている といえる」と報告書は付け加えた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:マイクロストラテジーのエグゼクティブ・チェアマン、マイケル・セイラー氏(CoinDesk)
|原文:MicroStrategy Now Holds $13.6B Worth of Bitcoin, 1% of Total Circulating Supply: Canaccord