- ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」は先週7000万ドルの資金を集め、フランクリン・テンプルトンの「BENJI」からトップの座を奪った。
- 流入の大部分は、Ondo Financeの「OUSG」トークンが占めた。
世界最大の資産運用会社BlackRock(ブラックロック)のトークン化ファンド「BUIDL」は4月30日、この種のファンドとしては最大規模となり、市場デビューからわずか6週間で競合のFranklin Templeton(フランクリン・テンプルトン)のトークン化ファンドを上回った。
米国債、レポ、現金を裏付け資産とし、イーサリアムブロックチェーン上のBUIDLトークンで表象されるBUIDL(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund)には、rwa.xyzのデータによると、先週7000万ドルの資金が流入し、現在、運用資産残高は3億7500万ドルにのぼる。トークン化プラットフォームのSecuritize(セキュリタイズ)と連携してローンチされたBUIDLは、3月21日の市場デビュー以来、約30%の市場シェアを獲得している。
一方、競合のBENJIトークンで表象されるFranklin OnChain U.S. Government Money Fundは、同期間にわずかな資金流出となり、運用資産資産は3億6800万ドルに減少した。
BUIDLへの資金流入は、Ondo Finance(オンドファイナンス)の伸びによるところが大きい。同社のトークン化米国債ファンド「OUSG」はBlackRockのトークンを準備資産として活用しており、1週間で5000万ドルの資金流入となった。
.@BlackRock's first natively onchain fund, BUIDL, has crossed the $350M AUM mark!
— Ondo Finance (@OndoFinance) April 29, 2024
Last week saw inflows of $50M into the fund, largely driven by Ondo's $OUSG.
We continue to see strong demand for more capital efficient cash solutions across the board, and we are proud to have…
BlackRockの初のトークン化ファンドの急成長は、債券やクレジットといった伝統的資産をトークン化してブロックチェーンに乗せること──RWA(現実資産)のトークン化──が、暗号資産企業やTradFi(伝統的金融)大手の大きな関心を集めたことに端を発する。トークン化は、24時間/365日での決済の迅速化、業務効率の向上、透明性の向上といったメリットをもたらし得る。
RWAの中でも米国債は、投資家がブロックチェーンエコシステムから離れることなく、オンチェーン上にキャッシュを保管し、安定した利回りを得ることができる低リスク、かつ馴染みのある商品として、トークン化の入口として注目を集めている。トークン化米国債市場は、BlackRockが競争に参入したことを受け、2023年初頭の約1億ドルから約13億ドルまで拡大している。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Jim Henderson, modified by CoinDesk
|原文:BlackRock’s BUIDL Becomes Largest Tokenized Treasury Fund Hitting $375M, Toppling Franklin Templeton’s