- スタンダードチャータードは、ビットコインの下値は5万~5万2000ドルになる可能性があると述べた。
- ビットコインは現在、現物ETFの平均購入価格である5万8000ドルを下回って取引されているという。
- 暗号資産などのリスク資産は、マクロ的な逆風の高まりと流動性の低下によって危機感をもたれている。
投資銀行スタンダードチャータード(Standard Chartered)は5月1日に電子メールで、ビットコイン(BTC)が6万ドル(約930万円、1ドル155円換算)のテクニカル水準を割ったことで、5万~5万2000ドルの価格帯までさらに下落する道が開かれたとコメントした。
下落の要因としては、暗号資産(仮想通貨)特有の要因とマクロ的な影響の両方があるようだとしている。ビットコインは本記事公開時点で6%安の5万7200ドル付近で取引されている。
スタンダードチャータードによると、アメリカのビットコイン現物ETF(上場投資信託)からは5日連続で資金流出が発生しており、ビットコインは現在ETFの平均購入価格である約5万8000ドルを下回って取引されているという。
アナリストのジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏は、「これは、現物ETFのポジションの半分以上が平均以下にあることを意味しており、その一部が清算されるリスクも考慮する必要がある」と述べた。
スタンダードチャータードは、香港での現物ETFの発売に関する報道も弱かったと指摘している。「かなり良好だった新しいETFの純資産ポジションよりも」1100万ドル(17億500万円)の取引高に注目が集まったためだという。
同行は、流動性があることで成長する暗号資産などのリスク資産もマクロ的な逆風の高まりに直面していると指摘。アメリカにおける全体的な流動性指標が4月中旬以来急激に悪化していることを挙げた。
同行は、ビットコインが5万ドルから5万2000ドルの価格帯に達した場合、またはインフレの指標となる15日の米消費者物価指数(CPI)が「友好的」な場合にビットコインを購入するようアドバイスしている。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Pixabay
|原文:Bitcoin Could Drop Further to as Low as $50K, Standard Chartered Says