- RNDR、AGIX、FETなどのAIトークンの上昇がビットコインを大きく上回った。
- エヌビディア株が1カ月ぶりの高値に上昇し、間近に迫った同社の決算報告への期待でAIトークンも盛り上がっている。
人工知能(AI)を活用しているとされるブロックチェーンプロジェクトのネイティブ暗号資産(仮想通貨)が、ここ数日の暗号資産市場の回復を牽引しており、ナスダック上場のチップメーカー、エヌビディア(Nvidia)の株価も上昇した。
CoinGeckoによると、分散型GPUベースのレンダリングソリューションであるRender NetworkのユーティリティトークンRNDRは、7日間で10.432ドルと40%近く急騰し、時価総額上位100の暗号資産の中で最大の上昇率を記録した。
SingularityNETのAGIX、BittensorのTAO、Fetch.aiのFETなどの他のAIコインも17%から23%上昇し、市場全体を上回っている。時価総額最大の暗号資産であるビットコイン(BTC)は1.7%上昇し、より広範な市場の指標であるコインデスク20指数(CD20)は0.6%上昇した。
暗号資産分析プラットフォームDYORによる、相対的な強さを示す暗号資産ナラティブトラッカーは、分散型AIコインとDePIN(分散型物理インフラ)トークンが過去7日間で最高のパフォーマーの1つであることを示している。
DYORの創設者であるヒテシュ・マルヴィヤ(Hitesh Malviya)氏はCoinDeskに「エヌビディアの間近に迫った決算は強い関心が寄せられている」と述べた。「AIコインは、我々の周りで起こっているAIの開発全体と直接相関しているため、周期的な上昇を続けるだろう」。
AIチップメーカーのエヌビディアは5月22日の取引終了後に第1四半期の業績を報告する予定だ。ザックス・インベストメント・リサーチ(Zacks Investment Research)は、同社の1株当たり利益が前年同期比403%増の5.49ドルになると予想している。ブルームバーグによると、他のAI企業の最近の決算は概ね良好だ。
エヌビディアの株価は5月6日に922ドルまで上昇し、4月1日以来の高値を記録した。TradingViewによると、4月19日につけた安値756ドルから20%以上回復している。
エヌビディアのチップは、AIによる関心を集める前はマイニングリグで使用されていた。エヌビディア株と暗号資産市場は2022年後半に底を打ち、OpenAIのChatGPTがデビューしたことでほぼ1年間の下落トレンドに終止符を打った。
OpenAIは今後数カ月のうちにChatGPTのバージョン5を発表する可能性が高いとの憶測が飛び交っている。4月末、テクノロジー大手各社は、人工知能への多額の投資を原動力に、四半期ベースで予想を上回る業績の伸びを報告した。
「OpenAIは今後数カ月のうちに新モデルを発表し、より良いハードウェアが開発され、より多くの資金がこの分野に投入されるだろう。我々は今、AIのスーパーサイクルの中にいる」とマルヴィヤ氏は述べている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:AI Tokens Lead Crypto-Market Recovery as Nvidia Hits One-Month High