- カストディ・プロバイダーのリミナルは、中東で正規のカストディアンとして営業するため、アブダビの認可を獲得した。
- シンガポールに本社を置く同社は現在、本拠地だけでなく中東やインドでも規制当局のお墨付きを得て活動している。
シンガポールに本社を置くカストディ・サービスのプロバイダーであるリミナル(Liminal)は、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで規制当局の認可を取得し、本拠地以外での事業拡大がまた一歩前進したと同社の代表者が5月13日のインタビューでCoinDeskに語った。
同社の子会社First Answer Middle Eastは5月9日、アブダビの国際金融センター「アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)」の市場監視機関である金融サービス規制庁(FSRA)から金融サービス許可(FSP)を取得し、同地域でのカストディ提供を許可された。同社は昨年、基本的な認可を受けている。
ここ数週間で、リミナルはアジア太平洋地域(APAC)および中東・北アフリカ地域(MENA)において規制当局の認可を受けている。先月末、同社のドバイ法人であるFirst Answer Custody FZEは、ドバイの仮想資産規制庁(VARA)から最初の認可を取得した。リミナルのインド子会社であるFirst Answer India Technologiesも事業体として登録されている。
「我々は2年前に、APACとEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)の主要市場で規制ライセンスを確保するための戦略的推進を開始し、機関投資家に対応するための戦略的ポジショニングを確立した」と、戦略・事業運営担当シニア・バイスプレジデントのマナン・ヴォラ(Manan Vora)氏は語った。「当社の戦略的ビジョンは、ヨーロッパと台湾における現在の技術的プレゼンスを拡大し、同地域における規制上の勝利を推進することだ。インドネシアでは、すでに同国のソブリン暗号資産取引所のテクノロジー・プロバイダーとして活動している」。
先週、インドの金融情報機関(FIU)の関係者がCoinDeskに語ったところによると、同国にあるリミナルの子会社は報告事業体として登録された。これはFIUに登録された最初の暗号資産カストディアンだと同社は述べている。11月には、同国の国内最高の警察機関である中央捜査局(CBI)が、押収された暗号資産の管理についてリミナルを指名した。
リミナルはシンガポール国内でも積極的に活動している。シンガポールが4月にカストディ・ソリューション・プロバイダーに対する新たなライセンス要件を導入した際、リミナルはすでにカストディ・ソリューションを提供していたため、新たなガイドラインの適用対象となった。この措置は6カ月間続く。リミナルはシンガポール金融管理局(MAS)にライセンス申請の手続きを開始したことを通知した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Custody Provider Liminal Wins Approval in Abu Dhabi as It Extends Expansion in Asia