ビットコイントレーダー、売り圧力緩和で7万4000ドル台への上昇を予想
  • アメリカのインフレ率が軟調に推移し、リスク資産を好む機関投資家の需要が高まる中、ビットコイン価格は今後数週間で7万4000ドルに達する可能性があるという。
  • ミレニアムやショーンフェルドのような大手資産運用会社はビットコインスポットETFに投資しており、機関投資家の関心が高まっていることを示している。
  • 短期的な売り圧力は和らいでいると、一部のオンチェーン・アナリストは5月16日のレポートで述べている。

シンガポールを拠点とするQCPキャピタルは5月16日早朝のメモで、軟調なインフレ指標を受けたリスク資産への強気なセンチメントが、機関投資家の需要が伸び続ける中で、ビットコイン(BTC)価格を数日中に7万4000ドルの大台に押し上げる可能性があると述べた。

アメリカの消費者物価指数(CPI)は、エコノミストが0.4%と予想する中、3月の0.4%に対し0.3%と予想を下回り、BTCのブレイクアウトを誘発した。BTCは4月以来初めて6万6000ドルの大台を回復し、1日の上昇幅としては3月以来最大を記録した。

このような動きは、伝統的な金融からの需要と相まって、ビットコインが3月に記録した7万3700ドルを回復する可能性がある。

QCPのトレーダーは、「7万4000ドル近くの高値に戻る可能性のある強気の勢いに期待している」と述べている。「当デスクでは、このスポットの高値の動きで、2024年12月の10万-12万ドルのBTCコールの大規模な買いが見られた」。

「機関投資家のビットコインに対する需要は伸び続けており、大手資産運用会社のミレニアム(Millennium)とショーンフェルド(Schonfeld)は、BTCスポットETFに運用資産(AUM)の約3%と約2%をそれぞれ投資している」と彼らは付け加えた。

5月16日に提出された複数の書類によると、ミレニアムやエリオット・キャピタル(Elliot Capital)などの有名ファンドが、数百万ドル相当のビットコインETFを保有していた。

一方、一部のアナリストは、オンチェーンや取引所のデータを引用して、ビットコインの売り圧力が緩和されたように見えると述べている。

「短期ビットコイン保有者は基本的に利益ゼロで売却しており、トレーダーはここ数カ月で未実現利益を枯渇させている」とCryptoQuantのアナリストは16日のレポートで述べた。「OTCデスクのビットコイン残高は安定しており、これらのエンティティを介して販売するために市場に来るビットコインの供給が少ないことを示唆している」。

同社は短期トレーダーを、BTCを155日未満の期間保有し、短期的な値動きを利用する可能性が高いアドレスと定義している。

短期ホルダーの動きは売り圧力の低下を示唆している。(CryptoQuant)

ビットコインのブレイクアウトは、数週間の低ボラティリティの後に起こる。3月以降、市場は6万ドルと7万ドルの間のレンジで推移しており、4月の半減イベントは、一般的な市場のカタリストの欠如のため、期待されたブーストを提供しなかったとトレーダーたちは述べていた。

今週初め、リテール・トレーダーのキース・ギル(Keith Gill)氏のXへの投稿によって、ミーム株とミーム・コインが急騰した後、トークン・ベットに対するリスク選好が高まる兆しが見えた。

ギル氏のオンライン上のパーソナリティと投資戦略は、2021年にビデオゲーム小売のゲームストップ(Gamestop)株のショートスクイーズに貢献し、Xへの3年ぶりの投稿は、今後数カ月の市場のボラティリティの兆候であるとの見方もあった。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Traders Expect Prices to Hit $74K Highs as Selling Pressure Eases