- ビットコインとイーサリアムの価格は、複数のイーサリアム現物ETFがアメリカでの上場承認を得たにもかかわらず、過去24時間に下落した。
- 過去1週間で20%以上上昇していたETH価格は、承認後に4%下落し、「ニュースで売る」イベントになった。
- トレーダーたちは、長期的にはイーサリアム市場に機関投資家の資金が大量に流入することを期待しているという。
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の価格は、いくつかのイーサリアム現物ETF(上場投資信託)がアメリカの取引所への上場を承認されたにもかかわらず、過去24時間に下落した。
CoinGeckoのデータによると、ETHは4%下落した。ETHは承認される確率がアップデートされる中、1週間で20%上昇していた。広範な暗号資産市場をトレースするCoinDesk20指数(CD20)は、24時間で4.5%下落し、暗号資産の時価総額は2兆5000億ドル(387兆5000億円)で2.9%減少した。
FxProのシニアマーケットアナリストのアレックス・カプチケヴィッチ(Alex Kuptsikevich)氏はCoinDeskへの電子メールで、「ポジティブなニュースでイーサリアムが売られたのは、投機筋の典型的な 『噂で買い、ニュースで売る』反応だ」と述べた。「価格が再び3000ドル近辺に引き戻され、重要な統合エリアに戻っても驚くべきではない。大規模な機関投資家はこの水準からETFでポジションを構築し始めることができるだろう」。
「ビットコイン現物ETFが承認された1月にも同じようなことがあり、その後の2週間で価格が19%下落したが、見事に反転した」と彼は述べた。
アメリカ証券取引委員会(SEC)は5月23日、イーサリアム現物ETFに関連する規制当局への主要な届出書類を承認した。しかし、ETFの取引はまだ許可されていない。SECはETFの募集と上場を可能にする19B-4フォームを承認したが、投資家がETFを購入できるようになるには、まだファンドのS-1フォームへの承認が必要だ。
ヴァンエク(VanEck)、フィデリティ(Fidelity)、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)、グレイスケール(Grayscale)、ビットワイズ(Bitwise)、アーク21シェアーズ(ARK 21Shares)、インベスコ・ギャラクシー(Invesco Galaxy)、ブラックロック(BlackRock)の8つのETFがナスダック(Nasdaq)、NYSE Arca、Cboe BZXの各取引所に上場するための書類が承認された。
ETFの取引が承認されれば、機関投資家の資金が大量に流入する可能性がある。スタンダード・チャータード(Standard Chartered)は最初の12カ月で450億ドル(約6兆9750億円)もの資金流入を予測している。
一部のトレーダーによると、イーサリアムは今後数カ月で60%以上上昇すると予想されており、この1週間でこのトークンに対する先物やスポットの買い需要が顕著に増加した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin, Ether Rally Cools Following U.S. Ether ETF Listing Approval