- ハイパースケーラーやAI企業からの電力需要は、ビットコインマイニング企業を潜在的な買収ターゲットにする可能性があるとJPモルガンは述べた。コアウィーブとコア・サイエンティフィックの取引は、マイニング業界のHPCへのピボットを実証するものだという。
- レポートは、半減期後、財務的圧力にさらされているビットコインマイニング会社は、最も影響を受けるだろうと述べた。
ハイパースケーラーとAI(人工知能)企業は、エネルギー需要を確保するためにさまざまな代替手段を模索しており、有利な電力契約が可能なビットコイン(BTC)マイニング会社(ビットコインマイナー)は、魅力的な買収ターゲットになり得るとJPモルガン(JPMorgan)は6月5日、リサーチレポートで述べた。
ハイパースケーラーとは、大量の計算能力を提供する大規模データセンターを言う。
ビットコイン半減期後、マイニング業界ではM&Aが過熱している。4日、クラウドコンピューティング企業のコアウィーブ(CoreWeave)がビットコインマイナーのコア・サイエンティフィック(Core Scientific)と200メガワット(MW)のAI関連取引を締結、また現金での買収提案を行ったとも報じられたことで、コア・サイエンティフィックの株価は急上昇した。
一方、大手ビットコインマイナーのライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)は先月、同業のビットファームズ(Bitfarms)に対する敵対的買収を発表した。
コアウィーブの取引は、マイニング業界のハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)への関与を加速させる可能性があるとJPモルガンは述べた。レポートは、コア・サイエンティフィックのニュースは、HPCをいち早く取り入れ、2ギガワット(GW)以上の電力開発権を持つとされるアイリス・エナジー(Iris Energy)に最も大きなインパクトを与えるとしている。
さらにJPモルガンは、ハイパースケーラーという新しい買い手が出現したことで、規模の小さなマイナーの評価額が上昇する可能性があると述べた。同行はまた、こうした動きは「ビットコインネットワークの合理化 」を進め、残りのマイナーの利益を向上させ得ると続けた。
同行は、米国の上場ビットコインマイナーは最大5GWの電力を消費しており、さらに2.5GWの電力を利用できるため、「潜在的に魅力的な買収ターゲットとなる」と考えている。
さらに、一部のビットコインマイナーは、4月の半減期後、市場からの撤退を迫る財務的圧力にさらされているため、買収提案を受け入れやすい状況にあるだろうとレポートは続けた。
投資会社のバーンスタイン(Bernstein)は先週、ライオット・プラットフォームズは十分な財務能力を有しているため、マイニング業界の統合を図るベストポジションにあると述べた。
|翻訳:Yuta Takahashi
|編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Eliza Gkritsi/CoinDesk
|原文:Bitcoin Miners With Attractive Power Contracts Are Potential M&A Targets, JPMorgan Says