- 欧州議会の700人以上の議員を選ぶ選挙の投票が本日から始まり、結果は6月9日までに発表される予定だ。
- 投票は、EUの暗号通貨規則法「MiCA」が発効する中で実施される。
- 議会は、MiCAに変更が必要かどうかについての報告を欧州委員会に求める権限を持っているものの、近い将来にMiCAの変更を要求するとは思われていない。
欧州連合(EU)加盟27カ国の国民が今後5年間の多国間貿易ブロックの代表者を選ぶ選挙が始まった。
欧州議会議員の選挙は本日投票が開始され、結果は6月9日(現地時間)に発表される予定だ。700人以上の議員が新しい法律を立案して決定することになるが、立法を発議することはできず、法律の採択に関する最終決定はEU理事会が行う。
投票は、この地域の画期的な暗号資産市場規制法(MiCA)の発効と同時に実施されるが、新しい議員は即座に変更を加えることはほとんどないだろうと、ブロックチェーン・フォー・ヨーロッパ(Blockchain for Europe)の事務局長ロバート・コピッチ(Robert Kopitsch)氏は述べた。同氏は理由の1つとして、ステーブルコイン規則が6月30日に発効予定であることを挙げた。
欧州議会議員は、欧州委員会(EUの政治的に独立した執行機関であり、新しい法律の提案や欧州議会の決定事項の実施を担当)に対し、変更が必要かどうかに関する報告書の提出を求めることができる。
「その後、欧州委員会は、MiCAの特定の条項を、欧州議会とEU理事会という中心的な立法機関と合意の上で変更することができる」とコピッチ氏は先週、テキサス州オースティンで開催されたCoinDeskのConsensus 2024で述べた。
これまで、業界は欧州人民党(EPP)と呼ばれるグループに所属するリディア・ペレイラ(Lídia Pereira)議員や、欧州刷新(Renew Europe)のオンドジェイ・コヴァジーク(Ondřej Kovařík)議員といった支援者に頼って、暗号資産(仮想通貨)に有利な規則の制定を推進してきた。
「リディア・ペレイラ氏は非常に積極的に活動していた。彼女はとても若く、ポルトガル出身で中道右派です。(当選の)チャンスは大いにある。もし彼女が戻ってくれば、デジタル技術全般、特にブロックチェーンの代弁者になると思う」とConsensus 2024で、ブロックチェーン・フォー・ヨーロッパの規制問題責任者、トンマーゾ・アスタジ(Tommaso Astazi)氏は語った。
「オンドジェイ・コヴァジーク氏にもチャンスがあると思う。彼はよい味方なので、それ(当選)は素晴らしいことだ」とアスタジ氏は述べ、チェコのコヴァジーク氏がフォーラムで非常に活発に活動していることを指摘した。
コピッチ氏とアスタジ氏はともに、若い議員を含め、新しい技術にもっと敏感な欧州議会議員が増えることを期待していると述べた。
新欧州議会議員は当選後すぐに欧州委員会の新しい委員を選ぶことになる。アスタジ氏によると、新しい委員は10月までに選ばれ、年末までに重点課題が設定される予定だ。
暗号資産がEUの重点課題となるかどうかは、次期欧州委員会次第だとアスタジ氏は述べた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Crypto Remains Sidelined as EU Election Kicks Off