- 民主党の上院議員3人は6月10日、アメリカ連邦準備理事会(FRB)宛てに書簡を送り、今こそ金利引き下げを行うべきだとした。
- その書簡では、FRBは2%のインフレ目標から脱却すべきだと付け加えている。
アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は金利を長期間にわたって高すぎる水準に維持しており、そろそろ引き下げるべきだと民主党の上院議員3人が6月10日、FRBのジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長宛の書簡で述べた。
「本日、連邦準備制度理事会(FRB)に対し、20年ぶりの高水準である現行のフェデラルファンド金利を5.5%から引き下げるよう強く要請する。この高金利政策の長期化はすでに経済を鈍化させており、インフレの主な要因に対処できていない」とエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、ジャッキー・ローゼン(Jacky Rosen)上院議員(ネバダ州選出、民主党)、ジョン・ヒッケンルーパー(John Hickenlooper)上院議員(コロラド州選出、民主党)がハフポスト(HuffPost)に掲載された文書に記した。
驚くほど堅調な労働市場を受け、金融市場は最初の0.25%の利下げ予想を7月から9月へと延期した。このタカ派的な再評価により、ビットコイン(BTC)のラリーは停滞している。
上院議員らは、インフレ抑制を目的とした金利上昇が、住宅、建設、自動車保険のコストを押し上げ、経済を不況に追い込み、「何千人ものアメリカ人労働者を失業に追い込む」危険性があると主張している。4月には、投資銀行大手のJPモルガン・チェースのアナリストが、金利上昇が家賃の高騰につながると指摘した。
上院議員たちは、FRBは欧州中央銀行(ECB)に倣い、2%のインフレ目標から脱却すべき時が来たと述べている。ECBとカナダ銀行は先週、金利を引き下げ、FRBの長期金利スタンスとは一線を画した。
この書簡によると、この乖離はドル高と金融環境の引き締め、あるいは経済の各部門における信用の流動性の低下につながる可能性がある。金融引き締めは、しばしば景気減速につながる。
シンガポールに拠点を置く暗号資産(仮想通貨)取引会社QCPキャピタル(QCP Capital)は、この乖離が長期化することはないと予想しており、BTCとイーサリアム(ETH)の価格下落を投資機会と捉えている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:FRBのジェローム・パウエル議長(Helene Braun/CoinDesk)
|原文:Fed Should Cut Interest Rate as Restrictive Stance Adds to Inflation, Democrats Say