ビットコインに固執し、イーサリアムなどは避けるべき:10xリサーチ
  • ビットコインは予想を下回る消費者物価指数発表の後、反発する傾向があると10xリサーチは述べた。
  • この調査会社は、FRBは今後さらなる利下げを示唆するだろうと付け加えている。
  • 12日、アメリカのインフレ率が予想を下回ったため、ETFへの資金流入が再開された。

10xリサーチ(10x Research)は、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派的な金利予測の中で主要暗号資産(仮想通貨)が圧力を受けている状況でも、ビットコイン(BTC)を推奨し続けている。

6月12日、アメリカの中央銀行は予想通り基準金利を5.25%~5.5%の範囲で据え置いた。しかし、今年3月の3回の利下げ予想から、1回に留まると述べた。この日早々に発表されたCPIが予想を下回ったことを受けたFRBの新たな金利予測は市場に動揺を与え、ビットコインの下落につながったと考えられる。

CoinDeskのデータによると、時価総額トップ暗号資産は、FRBが金利予測を発表して6万7400ドルまで下落し、CPI発表後の7万ドルへの急騰から反転した。

それでも、10xリサーチはビットコインに対して前向きな見通しを維持しており、まもなく上昇トレンドが再開すると確信しているようだ。

「当社の推奨は変わらない。勝者(BTC)にこだわり、その他(ETHなど)は避けることだ。以前の分析では、消費者物価指数の数値が低いほどビットコインの価格が上昇する傾向があることが示されており、この傾向は今後も続くと予想している」と、10xリサーチの創設者であるマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は13日の顧客向けメモで述べている。

5月のアメリカの消費者物価上昇率は横ばいとなって0.1%上昇というコンセンサス予想を下回り、4月の0.3%から低下した。前年同月比率は3.3%で、予想と一致し、4月の3.4%から低下した。

ビットコインの価格動向は、アメリカの消費者物価指数(CPI)の数値に基づいて方向転換する傾向がある。(10x Research)

ティーレン氏によると、インフレ率の低下は、歴史的にアメリカで上場されているビットコイン現物ETF(上場投資信託)への巨額の資金流入を引き起こしてきた。ファーサイド・インベスト(Farside Investors)の暫定データによると、12日にこのETFは1億ドル(約155億円、1ドル=155円換算)を集め、2日続いた資金流出に歯止めがかかった。

ティーレン氏は、1月11日のETF上場後、12月のCPIが上昇し、FRBによる利下げの根拠が弱まったため、ETFへの資金流入は止まったと説明している。2月には資金流入が再開し、ビットコイン価格は上昇した。

「ETFのフローは1月末にプラスに転じたが、2月13日のCPIデータ発表を前にして、わずかに加速し始めただけだった。しかし、3月12日にインフレ率が再び3.2%に上昇すると、ビットコインETFへの資金流入は止まり、市場は2~3回の利下げというシナリオを否定した」とティーレン氏は5月末に指摘した。

ティーレン氏は、インフレがすでにピークに達しているため、FRBは今年後半にもさらなる利下げを示唆すると予想している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:10x Research
|原文:Stick With Bitcoin, Avoid Ether, 10x Research Says After Fed Predicts Just One Rate Cut For 2024