- オーストラリア証券取引所は、ビットコイン現物ETFの上場を初めて承認した。
- ヴァンエック・オーストラリアは、同社のビットコイン現物ETFは6月20日に発売され、オーストラリア証券取引所に上場するビットコイン現物ETFとしては初となると述べた。
豪最大手の証券取引所に上場へ
オーストラリア株式市場の90%を占めるオーストラリア証券取引所(ASX:Australian Securities Exchange)は、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)を初めて承認した。発行するヴァンエク(VanEck)がブログ投稿で明らかにした。
ブログでは、ヴァンエクは「6月20日にオーストラリア証券取引所で初めてとなるビットコインETFを発売」し、「オーストラリアで最も低コストのビットコインETF」になるとされている。ヴァンエクは2月にビットコイン現物ETFの申請を再提出していた。
予想よりも早く承認
4月の報道ではDigitalX Ltd.が2月にオーストラリア証券取引所に対して承認を申請したとされていたほか、シドニーを拠点とするBetaSharesがオーストラリア証券取引所での発売に向けて取り組んでいると明らかにしていた。ブルームバーグは以前に、ビットコイン現物ETFの最初のグループが2024年末までにオーストラリア証券取引所に承認される可能性があると報じていたが、予想よりも早い展開になっている。
オーストラリアではアメリカとは異なり、企業は規制当局であるオーストラリア証券投資委員会(ASIC)の承認に加えて、商品を上場させる取引所の承認が必要になる。ASICは5月にCoinDeskに対し、DigitalX Ltd.、ヴァンエク、BetaSharesはいずれも、「関連するライセンスを自ら取得しているか、必要なライセンスを持つ別の企業と提携している」と連絡していた。
今回の承認への期待
今月これ以前に、オーストラリアを拠点とするモノクローム・アセット・マネジメント(Monochrome Asset Management)のモノクローム・ビットコインETF(IBTC)は、オーストラリア証券取引所の競合だが規模は小さいCBOEオーストラリア取引所から承認を得ていた。モノクローム・アセット・マネジメントは当時、この商品がオーストラリアで直接ビットコインを保有する初かつ唯一のETFだと述べた。
ヴァンエクは、「オーストラリアでは、ASICの承認に加えて、規制や取引所の枠組みをめぐる課題などクリアすべきハードルがあるが、ヴァンエクはオーストラリア証券取引所の投資家に初のビットコインETFを提供する先導役となるつもりだ」と表明した。
オーストラリアの業界専門家は以前CoinDeskに対し、CBOEオーストラリア取引所よりも規模の大きなオーストラリア証券取引所でビットコイン現物ETFの取引が開始されることをめぐり、同取引所の取引高が大きいためにより期待が寄せられていると語った。そのため、オーストラリア証券取引所では初の承認となるヴァンエクのビットコイン現物ETFは、この地域の暗号資産と関連するETFにさらなる正当性を与える可能性がある。
アメリカが1月にビットコイン現物ETFを承認した後、主要な暗号資産ハブとみなされるための努力を続けるアジア太平洋諸国では、同種の商品を承認することへの期待が高まっている。
ヴァンエクはまた、同社がアメリカでビットコイン現物ETFの承認を受けており、欧州でも似た商品を提供していることから、世界的な専門知識とインフラを活用して、オーストラリアの投資家にクラス最高の暗号資産ソリューションを提供する予定だと表明した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Johnny Bhalla, Unsplash
|原文:Australian Securities Exchange Gives Its First Approval of a Spot Bitcoin Listing to VanEck