野村ホールディングスとそのデジタル・アセット子会社であるLaser Digital Holdings AG(レーザー・デジタル・ホールディングス AG)は24日、「デジタルアセットの投資動向に関する機関投資家調査 2024」を公表した。
リリースによると「デジタル・アセットに対する国内機関投資家の投資動向および意向を把握し、暗号資産への投資を検討する際に生ずる課題を明らかにするため、機関投資家、ファミリーオフィス、公益法人などにおける運用担当者を対象として本調査を実施」したという。
調査は、国内の機関投資家またはファミリーオフィス、公益法人に在籍する運用担当者547名を対象にオンライン調査を2024年4月15日~4月26日にかけて実施した。
調査結果の要点は以下のとおり。
- 回答者の54%が今後3年間において暗号資産に投資する意向があり、25%が暗号資産に対してポジティブな印象を持っている。
- 回答者の62%が暗号資産を分散投資の機会とみており、暗号資産に投資する場合、望ましい配分比率としてAUMの2~5%程度を想定している。
- 暗号資産投資を加速する要因としては、ETF、投資信託、ステーキングなどのさまざまな商品が開発されることが挙げられた。
- 暗号資産投資の障壁としては、カウンターパーティリスク、ボラティリティの高さ、社内環境が整っていないことや法規制などの回答が多かった。
なお調査結果の詳細は、レーザー・デジタルのリサーチページからダウンロードできる。
国内証券業界をリードする野村HDがこうした調査を公表した意義は大きい。アメリカではビットコインETFの登場により機関投資家の受け入れがますます進んでいる。また日本でもまだ限定的とはいえ、ビットコインを保有する企業も出てきている。
日本でも、アメリカ上場のビットコインETFの取り扱いが可能になるのか、あるいは国内での組成が進むのかなど、今後の動向が注目される。
|文:増田隆幸
|画像:「デジタルアセットの投資動向に関する機関投資家調査 2024」より