- 今年の後半には、アメリカ大統領選挙と消費者物価指数が好材料となる可能性がある。
- FRBが重視するインフレ指標であるPCE価格指数が28日に発表され、安心材料となる可能性もある。
ビットコイン(BTC)のチャートはダブルトップのパターンを形成しており、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の金利動向に影響を与える可能性のある重要なデータの発表を前に、今後の弱気トレンド転換を示唆している。
ビットコインの価格推移は、今月はジェットコースターのような動きだった。3月の史上最高値に迫る7万ドル近くまで急騰した後、現在は6万1000ドル台まで下落し、ナスダックの上昇基調から切り離されている。これは主に、マイナーによる売却の加速、投資家による最高値付近での利益確定売り、アメリカの現物ETF(上場投資信託)からの資金流出によるものだ。
値動きはダブルトップを形成しており、これは2つのピークと谷間からなる弱気なテクニカル分析パターンで、通常、顕著な上昇トレンドの後に現れる。2つ目のピークは上昇トレンドの限界を表しており、2つのピークの間に設定された安値を最終的に突破することで、弱気なトレンド転換が確認される。
「テクニカル的には、ビットコインはダブルトップを形成しているように見える。一方で、サポートレベルが試されている。このチャートの形が有効である限り、5万ドル、場合によっては4万5000ドルまで下落する可能性もある」と、10xリサーチ(10x Research)の創設者であるマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏は述べている。
「確かに、今年の後半はアメリカ大統領選挙と消費者物価指数(CPI)が好材料となるはずだが、より大幅な調整が起こる可能性もある」とティーレン氏は付け加えている。
しかし、FRBが重視するインフレ指標である5月の個人消費支出(PCE)価格指数は、コア指数で3年ぶりの最も緩やかな月次上昇率を示すと予想されている。これにより、9月からのFRBによる利下げが確実になり、ビットコインを含むリスク資産の下支え要因となる可能性がある。
「最近の好調な経済データは、6月21日に(債券の)利回りを上昇させ、貴金属価格を下落させた。これは、暗号資産(仮想通貨)のようなデジタルハードアセットの妨げになっている」と、アンバーデータ(Amberdata)のデリバティブ・ディレクター、グレッグ・マガディーニ(Greg Magadini)氏は、CoinDeskに提供した週次のニュースレターで述べている。
「今週は複数のFRB理事が発言し、国内総生産(GDP)に続いて28日にはFRBが最も重視するインフレ指標であるPCEが発表される」とマガディーニ氏は付け加えている。
ブルームバーグの調査に答えたエコノミストは、PCE価格指数に大きな変化はなく、コアPCEは前月比でわずか0.1%上昇し、見出しとコアの両方の数値で前年比2.6%の上昇になると予想している。食料とエネルギーを除いたコアの上昇予測は、2021年3月以来最も小さいものになる。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:10x Research
|原文:Bitcoin’s Double Top Suggests BTC Could Fall to $50K: Analyst