マウントゴックスの弁済への懸念は誇張されている:アナリスト
  • トレーダーたちは、マウントゴックスの返済による売り圧力が予想よりも軽微なものになるとみており、これにより、即時の売り崩しに対する懸念が和らぐ可能性がある。
  • ギャラクシー・リサーチは、流通しているビットコインの大部分はすぐに売却されない可能性があると指摘している。その理由は、ビットコインの購入価格が低額であるため、債権者が保有したままになる可能性が高いからだ。

暗号資産(仮想通貨)トレーダーは、マウントゴックス(Mt. Gox)が新たに発表した返済による売却圧力は、市場関係者が懸念するほど大きくない可能性があり、差し迫った売却に対する懸念が和らぐかもしれないと述べている。

「マウントゴックスがビットコイン(BTC)を分配することによる価格への影響は誇張されている可能性が高い」と、スワン・ビットコイン(Swan Bitcoin)の上級アナリスト、サム・キャラハン(Sam Callahan)氏は6月25日にCoinDeskに送ったメールで述べた。 「ビットコインを売却したかった債権者は、破産債権を長期投資家たちに売却しているはずで、10年以上もそれを行う時間があった」。

「さらに、ほとんどの債権者は、ビットコインの取得原価が1ビットコインあたり700ドル未満であるため、ビットコインを保有し続ける可能性が高い」と彼は付け加えている。

ギャラクシー・リサーチ(Galaxy Research)は24日のメモで、分配用に確保された合計14万1000BTCのうち、6万5000BTCは個々の債権者に、さらに3万BTCは債権ファンドと別の破産手続きにそれぞれ送られると述べた。

「債権者から債権を取得したファンドが受け取るBTCの大半は、売却されることなく現物出資として分配されるものと考えるのが妥当だ」と同社は述べ、懸念を和らげた。

閉鎖された暗号資産取引所の管財人は、2014年のハッキングで顧客から盗まれたビットコインを7月第1週に分配する準備を進めていると述べた。

分配されるビットコインの正確な金額は公表されていないが、同取引所は5月に複数のコールドウォレットから1つのアドレスに、約90億ドル(約1兆4400億円、1ドル=160円換算)相当の14万BTCを集約していた。

今後の売り圧力に対する懸念から、ビットコインは24日に4%以上急落し、5月初旬以来初めて6万ドルを割り込む場面もあった。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Mt. Gox Redemption Fears ‘Overblown’ Say Traders as $10B BTC Holdings Draw Concerns