- ギャラクシーによると、イーサリアム現物ETFは最初の5カ月間で50億ドルの純流入が見込まれるという。
- 新商品に対する需要は、独立系の投資アドバイザーや証券会社といったプラットフォームから生まれると予想されている。
- 報告書によると、ステーキング報酬がないことが、これらの現物ETFに対する需要を制限する可能性がある。
ギャラクシー・リサーチ(Galaxy Research)は6月26日のレポートで、イーサリアム(ETH)現物ETF(上場投資信託)は、取引が承認されれば、毎月10億ドル(約1600億円、1ドル=160円換算)の純流入が見込めるだろうと述べた。
「最初の5カ月間、イーサリアム現物ETFへの純流入額はビットコイン(BTC)現物ETFへの純流入額の20~50%になると予想しており、目標は30%で、これは月10億ドルの純流入を意味する」とアナリストのチャールズ・ユウ(Charles Yu)氏は記している。
先月、アメリカ証券取引委員会(SEC)が上場申請を承認したことで、イーサリアム現物ETFはアメリカでの取引開始が間近となった。ただし、取引開始には、規制当局によるS-1申請の承認が必要だ。ビットコイン現物ETFは、1月に取引が開始されている。
ビットコイン現物ETFと同様に、イーサリアム現物ETFに対する新たな需要は、独立系の投資アドバイザーやブローカー、ディーラーのプラットフォームから生まれると報告書は述べている。
ギャラクシーによると、イーサリアムはステーク、ブリッジ、スマートコントラクトにロックされているETHの総供給量と、中央集権型の取引所に保有されている量が少ないため、ビットコインよりもETFの流入による価格変動が起きやすい。
またギャラクシーは、ステーキング報酬がないため、イーサリアム現物ETFの需要は限定的になる可能性があると警告している。
また、グレイスケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)からの資金流出もイーサリアム現物ETFへの資金流入の足かせとなる可能性があり、ギャラクシーはこうした資金流出が毎月約31万9000ETH(約11億ドル、約1760億円)に達する可能性があると推定している。それでも、これらの信託で保有されているイーサリアムの割合が少ないため、「ETHEのETFへの転換は、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)の転換に比べて、ETH価格に対する相対的な影響は比較的小さい」とギャラクシーは述べている。
GBTCとは異なり、ETHEはスリー・アローズ・キャピタル(Three Arrows Capital:3AC)やジェネシス(Genesis)のような企業の倒産による強制売却に直面していないため、イーサリアムはビットコインよりもグレイスケールの信託に関連する売り圧力を受けにくいとレポートは付け加えている。
6月27日のロイターの報道によると、SECは7月4日にもイーサリアム現物ETFを承認する可能性がある。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Ether Spot ETFs Could See $5B of Net Inflows in the First Five Months: Galaxy