- カナコードはレポートで、現物ETFが暗号資産市場の価格変動に与える影響はより大きくなるだろうと述べた。
- カナコードは、暗号資産の機関投資家への普及は依然として拡大しており、現在世界の最大手ヘッジファンドの半数以上がビットコイン現物ETFを取引・保有していると指摘した。
- カナコードは、イーサリアム現物ETFは、他のデジタル資産に対する機関投資家の関心を広げるのに役立つだろうと述べた。
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の現物ETF(上場投資信託)の承認は心強いものであり、デジタル資産のパフォーマンスは第2四半期に伝統的な資産を下回ったが、ETFへの流入が見込まれることで最近のトレンドが反転する可能性がある。ブローカーのカナコード・ジェニュイティ(Canaccord Genuity)が6月30日の四半期レポートで述べた。
マイケル・グラハム(Michael Graham)氏率いるアナリストらは、現物ETFは、暗号資産(仮想通貨)の価格変動においてより重要な役割を果たすようになると予想されるとの見方を示した。
カナコードは、ビットコインETFへの流入は2月の高い水準から減速しているものの、機関投資家への普及は依然として拡大しており、「世界の最大手ヘッジファンドの50%以上が現在、ビットコイン現物ETFを取引・保有している。大手機関投資家は保有資産の開示を始めたばかりで、米証券取引委員会(SEC)は間もなくビットコインETFのオプションを承認する可能性がある」と指摘している。
個人投資家が、個人退職勘定(IRA)やその他の税制優遇口座を通じて暗号資産へのエクスポージャーを得るためにETFを購入することを検討する可能性もあるとレポートは述べている。ビットコイン現物ETFは、今年1月にアメリカで初めて取引が承認された。
イーサリアム現物ETFは、SECが先月発行企業からの最初の提出書類を承認したことを受けて、今夏後半に発売される予定だ。新商品の取引が開始されるには、規制当局がS-1提出書類を承認する必要がある。マクロ経済の不確実性と将来の金利引き下げのタイミングにもかかわらず、「半減期後の好ましい需給動向は、ビットコインETFの追い風となる可能性がある」とカナコードは述べた。
イーサリアム現物ETFも取引が開始されればプラスの影響を与える可能性があり、「他の資産に対する機関投資家の関心を広げるのに役立つはず」で、暗号エコシステム全体に利益をもたらすだろうとカナコードは述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Markus Winkler/Pixabay
|原文:Crypto Spot ETFs Will Have More Influence on Market’s Price Action: Canaccord