アルゴランド(Algorand)・ブロックチェーンに注力している投資会社アルゴ・キャピタル(Algo Capital)は、最高技術責任者(CTO)のスマートフォンがハッキングされた後、数百万ドル(数億円)相当のテザー(USDT)とアルゴ(ALGO)トークンを失った。
この件に詳しい情報筋によると、アルゴ・キャピタルは10月4日(現地時間)、同社の限られた関係者に、CTOのパブロ・ヤボ(Pablo Yabo)氏のスマートフォンがハッキングされ、同氏が管理しているアルゴ・ホットウォレットの権限を奪われたと報告した。CoinDeskが確認したCEOのデビッド・ガルシア(David Garcia)氏のメールには、ハッキングにより約100万〜200万ドル相当の仮想通貨が奪われたと記されていた。
「セキュリティ侵害があった」とCEOのデビッド・ガルシア氏はCoinDeskにメールで述べた。
「我々はアルゴ・キャピタルVCファンドのメンバーと連絡を取り、事件の最新情報を伝えている」
ネットワーク自体は無傷のまま。アルゴランドのチームは投資会社が被害を受けたことを認識していると情報筋は語った。
アルゴ・キャピタルは、アルゴVCファンドのために2億ドルを調達。アルゴ・キャピタルの創業者で、マネージング・パートナーのアルル・ムルガン(Arul Murugan)氏は2019年8月の声明で以下のように述べた。
「我々の投資アプローチは特に、次の優れたブロックチェーン・アプリケーションおよびインフラ・ソリューションを構築している企業を対象としている。その結果として、ブロックチェーンの普及の迅速化とアルゴランド・ネットワークの数百万の新規ユーザー獲得をサポートする」
アルゴ・キャピタルは、ブロックチェーンの実際の開発を監督するアルゴランド財団(Algorand Foundation)およびアルゴランドLCC(Algorand LLC)とは別組織。関係者に送られたメールによると、パブロ・ヤボ氏はCTOを辞任した。同社はさらなるセキュリティ対策を講じている。コールド・ウォレットに保管されていた同社の大部分の資金は無事だった。
同社は損失の全責任を負い、20カ月以内に全額を補償する。
「我々は、主要組織およびセキュリティ・サービスと協力し、業界共通の問題となっているこの問題にともに対処している」とガルシア氏は記した。
アルゴランド・ブロックチェーンは2017年、他のブロックチェーンが直面しているスケーリングの問題を解決し得るソリューションとして、MITのシルビオ・ミカリ(Silvio Micali)教授が発表した。プルーフ・オブ・ステーク(PoS)の一種の派生型として、その合意メカニズムのもと、ネットワークはブロックチェーンに次のブロックを追加するマシンをランダムに選択する。
我々はヤボ氏にコメントを求めたが、返信はまだない。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Broken fence image via Shutterstock
原文:Algo Capital Loses Crypto Funds After CTO’s Phone Is HackedB