- ビットコインや主要な暗号資産は、アジア取引時間中に急落し、週初めに記録した上昇分を帳消しにした。
- 価格の下落は倒産した取引所のマウントゴックスからの大規模なBTC売却の懸念が一因だ。同取引所は2014年のハッキングで盗まれた資産を今月弁済する予定になっている。
- あるアナリストは、こうした変動にもかかわらず、今年中にBTC価格が15万ドルに達すると予測している。
ビットコイン(BTC)がアジア取引時間における下落を主導し、主要暗号資産(仮想通貨)は週の初めに得た利益をすべて失った。
東京市場が開いた直後、BTCは6万2000ドル以上から6万900ドルまで下落し、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、ドージコイン(DOGE)では最大3%の損失を記録した。エックス・アール・ピー(XRP)はほとんど変化がなかったが、カルダノ(ADA)は7月2日の上昇による利益の一部を失った。これは、開発元のカルダノ財団がヨーロッパの規制要件を満たすために特定の指標を公開したためだ。
主要トークンの流動性指数であるCoinDesk20指数(CD20)は、過去24時間で1.7%以上下落した。
この下落は、ビットコインに連動するアメリカの現物ETF(上場投資信託)が1300万ドル(約20億8000億円、1ドル=160円換算)の流出を記録し、純流入が5日連続で途切れたことによるものだ。
シンガポールを拠点とするQCPキャピタル(QCP Capital)は2日のテレグラムのブロードキャストで、破綻した取引所マウントゴックス(Mt.Gox)の弁済に伴って大規模なBTCの売却が行われるのではないかという懸念が弱気相場の要因となっている可能性があると述べた。
「マウントゴックスの弁済は今週行われる予定だ」とQCPキャピタルは述べている。「最大14万BTCのこの大きな供給は、正確なリリーススケジュールが不明であるため、今後も市場に重くのしかかるだろう」。
マウントゴックスは、2014年のハッキングで盗まれた顧客資産の弁済を、長年にわたる延期を経て、2024年7月に開始する予定だ。弁済はビットコインとビットコインキャッシュ(BCH)で行われる予定で、以前にも報じられたように売り圧力が加わる可能性がある。
しかし、一部のトレーダーの長期的な強気の見通しは依然として変わっておらず、マウントゴックスの弁済が完了した後、15万ドルまでの反発が期待されている。
「7月には最大の懸念材料の一つが消える。後半の急反発を期待する理由になると思う」と、ファンドストラット(Fundstrat)のリサーチ責任者、トム・リー(Tom Lee)氏は2日のCNBCのインタビューで述べた。「15万ドルは…射程圏内だ」。
リー氏は2月に、現物ETFからの需要、マイニング報酬半減、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)による金利引き下げにより、BTCは2024年に15万ドルに達すると予想していた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Bitcoin Sinks Under $61K as One Trader Sticks to $150K Prediction This Year